第37話ナルの旅と蜂軍隊
人探しのまともな一歩を歩き出していたナルは聞き込みの為アクフが旅の途中度々言っていたスドの店に来ていた。
「スドさーん、いますか?」
「…………誰だ?」
「始めまして、アクフから色々聞かせてもらってますアクフの友達のナルフリックです。」
「…………アクフの友達?」
(そんなことも言っていた気がするな。念の為アクフに関する質問でもしておくか。)
「…………アクフの料理は?」
「味はいいけど、見た目が……。」
「…………次にアクフの味の好みは?」
「しょっぱいものが一番好き。」
「…………更に次、アクフは犬派?それとも猫派?」
「犬派。」
「…………更に更に次、アクフが出来るお手玉の玉の最大数は?」
「10個。」
「…………最後だ。アクフの好きな色は?」
「赤系統。」
「…………よし、分かった。話を聞こう。」
「それじゃ単刀直入にはなりますが、アクフがどこに行ったか知りませんか?」
「…………!アクフがまた失踪したのか?」
「うん、そうんなんです。だから聞き込みをして何処にいるのか突き止めようとしてるんですけど、アクフを最後に見たのって何処ですか?」
「…………最後に見たのは結構前で情報はナルフリックとさして変わらない。よし、アクフの友人を一人で捜索させるわけも行かないし、数が多ければいくらかはアクフを見つけやすくなるだろう……と言うことで俺もナルフリックについて行く。」
(うーん、確かにアクフを探す人が多いほうが見つかる可能性が上がるよね……うん!)
納得したナルは真剣な表情で手を差し伸べる。
「分かりました。私で良ければ一緒にアクフを探しましょう。」
「ああ、アクフは俺の武器の数少ない理解者だからな。必ず探し出そう。」
と言ってスドとナルは握手を交わした。
これによって、また着実にアクフへ一歩近づく。
――
ギルド、それはガストン周辺の某大国が国外逃亡した犯罪者を連れ戻す為に設立された場所。犯罪者に賞金をギルドでつけてその者達のリストから依頼を探し受注し、賞金首を取っ捕まえ、生きたままギルドへと引き渡すことにより、引き渡した者は賞金を得ることが出来る所。
因みにガンストン周辺の基本大国と貴族等の寄付で成り立っている慈善事業だ。
アクフは今、そのギルドに来ている。
ギルドの中は荒くれ者が屯っていると思っていたアクフの予想は外れ、賞金首を探すことに必死なのか殆ど賞金稼ぎの様な出で立ちをしたものは居なかった。
(まぁ、絡まれる可能性が無くなったし良いか。)と思いながらアクフは登録するカウンターに来ていた。
「あの、賞金稼ぎ登録をしたいのですが。」
「賞金稼ぎ登録ですね。少々お待ち下さい。」
そう言ってカウンターに立っていた職員は契約書を持っていた。
「内容を確認したうえで下の欄にお名前とサインを入れてくだい。」
「はい。」
アクフは世界共通文字で書かれた契約書の内容を読む。
因みに内容は同じ賞金首を複数人で狩った場合4人分までなら賞金が個々に満額払われるという賞金首は四肢欠損などは死なない程度にさせてよいが生きてギルドに渡さないと賞金は与えられないこと以外特筆すべきものは無かった。
読み終わったアクフは契約書にサインをする。
「はい、確かに。ではプレートを持っていますので少々お待ちください。」
しばらくすると職員が帰ってきてプレートを渡した。
「犯罪者を捕まえる為に頑張るのはいいですけどここガンストンは隠れるのに適しているのか凶悪な犯罪者、特殊能力を持つ犯罪者……所謂魂塊使いが多いです、相手が強すぎと思ったらたら迷わず逃げてくださいね?まぁ今は【無剣の有剣】のミティスさんと【花蜂】のヨヨリさんもいますし、助けてくれると思うので大丈夫だと思いますが。」
と言い職員は賞金首の似顔絵と賞金の額書かれたプレートが大量にある場所にアクフを案内する。
「では。」といって職員は元の場所に戻った。
「さて、取り敢えず前に賞金首と戦った時は意外と行けたから賞金が高めのやつでも行けるかな?」
アクフは前に戦った賞金首の賞金がいくら確認しようとプレート全部を確認する。
そうすると、幸運なことにまだプレートが残っておりそこには50万コーエンと書いてあった。
因みに100ファラルと125コーエンで同価値となる。
(この感じだとあの賞金首はあんまり強い方では無かったのか?いや、賞金=賞金首とは一概には言えないと思うけど大体は図れるはず。この感じなら今の俺はギリギリ500万コーエンくらいがちょうどいいかな。)
と、思いつつ500万以下の賞金首の情報が書かれたプレートを探す。
(…………殺人と強盗につき300万、人相妙にゴツ顔、か細い体で魂塊使い異名コーエン
プレートをまじまじと見た後、アクフはギルドの外に出た。
(人探しはバファイの『
「一稼ぎするか!バファイ!」
『キュュュ!』
その後アクフは『
しばらく走り回った後。とある居酒屋から情報が飛んでくる
(うん?妙にゴツい顔かに細い体…………そして魂塊の反応。ほぼ間違いない
そう思ってアクフは居酒屋の中に入る。
居酒屋の中には居すぎず居なさすぎることない丁度いい量の客がいる中、かなり変装はしているものの分からない訳では無いくらい原型を残した
取り敢えず他の客がいる中で戦闘するのはまずいと思ったアクフは魂塊を纏わせた〘
すると、
「おっ?なんだ。そのなり
と特にそうする事によってこれと言った徳はないのに
「さぁ、殺ろうぜ。」
そう言って
当然そうすると大なり小なり風が生まれるはずだが、タニシモデルの魂塊の能力『風濾変過』で生まれない。
そして、満を持して大盾を構える。
構えた大盾は『風濾変過』の効果でとても高音になり、煙を出す。
(あの感じ、下手な炎よりも熱そうだ……当たったらただじゃ済まないな。よし、『暴剣』を使って変則的に近づいて『打音放』を使うか。)
アクフは『暴剣』を使い、
が、大盾に阻まれてダメージを出すことは出来ない。
「へっ、そんなちゃちい攻撃じゃ俺の大盾は貫通できねぇぞ、雑魚。」
(ここは一旦、〘
アクフはバックステップで距離を取って〘
そして、〘
「銃?何やりたいのかはよく分からねぇが、圧し殺すだけだ!」
と言って大盾を構えた
今の時点で当たればいくらデオル式訓練を終えたアクフでもかなりヤバイ事になってしまう。
(こうやってても埒が明かないな。仕方ない。ちょっとリスクはあるが、今の最大火力をあの盾にぶつける!)
新しい銃弾に魂塊と『廻音剣』を纏わせしっかり大盾に狙いを定めて。
放つ。
しかし、銃弾は大盾には当たらず、
そして、速く決着をつけたいアクフの心を察知したのか
それは大盾に銃弾を当てようと意識に大半を向けているアクフに向かって投擲することだ。
投擲された大盾は銃弾よりは遅かったが、アクフの鼻の先まで迫っている。
(『打音放』で回避するにも多分間に合わない……!普通に避けるにしても時間がない。どうすれば……。)
アクフが必死に打開策を考えていたその時、
蜂がやって来て、大盾に向かって手裏剣のような形をしたブーメランが飛んで来た。
ブーメランと大盾が衝突して大盾の軌道を大幅に逸らす。
「…………妙にゴツい顔かに細い体
【花蜂】のヨヨリはアーミーハニービーの魂塊ミロショウサの個別能力『全隊出陣!』によって改造アーミーハニービーを出して
「ちっ、新入りだけ相手出来るとおもったのによぉ。」
「賞金稼ぎのしの文字も知らないような初心者を虐めるなんて
間髪入れずにヨヨリが恨み言を吐きつつ、武器から出した改造アーミーハニービー特攻隊を変容した武器にセットする。
そして、
「『
と技名兼司令を大声で叫び、セットした改造アーミーハニービーを飛ばす。
改造アーミーハニービーは
そこに、隙を狙っていたアクフの生力を込めた『打音放』がクリーンヒットする。
「すみません。助力感謝いたします。」
「それじゃ、加勢させてもらうね。」
「攻撃は任せます。ので俺は引き付けをします。」
「分かったよ。」
と言いつつ、ヨヨリはブーメラン〘
その間にアクフが『廻音剣』を
それによって
「やってくれたな。【花蜂】ぃぃぃぃ!仕方ねぇな、あれ出すか。」
飛び出した銃弾は風を取り込み変換して温度を急上昇してアクフを手の甲を掠った。
ほんの少し掠めただけだったが掠めた傷の部分に軽度の火傷を負ってしまった。
(くっ、あの銃は厄介だな。ここは、ヨヨリさんに時間を稼いでもらって『
アクフは『打音放』で飛び上がった。
そして、『暴剣』を活用しイカレた軌道を描きながら、
「こんなんじゃ俺を倒せねぇぞ?」
当然、
「倒すのは俺じゃない。」
大振りの一撃を避けた事により隙ができた。
そして、この時を待ちわびていた者が一人。
ヨヨリだ。
「これでトドメだ。『
モーニングスターが
これにより、
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