第30話鬼人農民の乱
「アクフ殿!敵襲です!」
騒がしく、よく響く義刀の声でアクフは起きて急いで武器を持つ。
(うん?敵襲!?他国が攻めてきたのか?兎にも角にも現場に早く向かわないと!)
〘
見渡して見えた者は義刀と鬼人とかした反逆軍だった。
(え?人間の頭に角が生えている?いや、今は考えるときじゃない。彼奴等を無力化しないと!)
『打音放』と『鎮音放』を使って義刀の所まで行き反逆軍の攻撃を食い止めながら少し距離を取っている義刀に質問する。
「義刀こいつらなんなんだ?」
「見まごうこと無く我が国の農民で、恐らく反乱軍です。ですが彼等も話し合えばわかり会えるはずなのでアクフ殿、どうか彼等の命は取らないでください!」
「了解!」
その言葉を聞いてアクフは〘
鬼人となった男達はアクフに向かって刀を振り下ろしてくるが、『暴剣』を使って避けた後、首を峰打ちをして男達を倒してゆく。
普通の人ならば魂塊を纏った攻撃で峰打ちされればしばらくの間立ち上がることができない。だが、男達は鬼人。
鬼人とは竹戸ができる前、
なので、蘇るように立ち上がる。
(く、こいつらかなりタフだな……まるで魂塊を使っているようだ。でもどんな魂塊か見ようと思ったら何も見えないし。……それなら『探音剣』を使ってやってみるか。)
アクフは構え、目を閉じて伝達される情報通りに敵を撃墜する為に集中しする。
男達は戦闘経験があまりないのかフェイント等の技術も使わず我武者羅に突っ込む。当然の如く無謀な突撃をした男達はアクフの『探音剣』の餌食となった。
だがしかし、これだけではない。まだまだ他の男達が突っ込んでくる。
といっても、ただ突っ込んでくるだけなのでまたしてもアクフの『探音剣』により倒される。
それを続けること30分。
あまりのタフネスで蘇ってくる男達に少々面倒と思ってきたアクフの前に、他の男と纏う空気が違う男が現れる。
「皆、ここは我ら一家に任せて王の元に向え!」
その言葉を聞いて馬鹿正直特攻していた男達は急いで城に入っていく為走り出した。
(城に入られたらまずい!追わないと……!)
そう思って男達の方に向いたアクフに業物の刀が突きつけられる。
「残念だが、お主の相手は儂だ。」
「すいません、あなたを速やかに倒して向かわないといけないので結構痛くなると思うけど我慢してください。」
男に煽りの言葉を言い放った後、『廻音剣』を放ち、『暴剣』をしながら接近していく。
「お前のような小童に負けるほど鍛錬は怠っていない。」
返しの煽りを発しながら『廻音剣』に直撃しながらも。
接近しているアクフの〘月光〙を弾く。そして、蜚蠊の魂塊の能力である『超速水平移動』を使って滑るようにアクフに近づいて刀を振り上げる。
それに対してアクフは〘
しかし、防いだ瞬間を狙われて刀の持ちての部分で殴られる。
一旦思考をするため、バックジャンプで後にのく。
(やっぱりここは曲芸で飛んで『
そう決めたアクフは『
『超速水平移動』を利用した技、『
(やっぱり正攻法では駄目か。なら、無理矢理にでも隙を作る!)
砂を足で地面を強く蹴って目潰しをする。
だが、『超速平行移動』を使われてしまった為通じなかった。
めげずにアクフは『探音剣』を使い攻撃を仕掛けるが、七割を素の状態で避けられて『超速平行移動』が残りの三割だ。
(ここまでの感じから、個別能力は早く真っ直ぐに移動するものだと思う。あの感じから見るに魂塊の個別能力は連発できるようなタイプじゃないんだろう。それなら少し生力を使ってしまうけど確実に倒しにいく!)
『打音放』を使い空に上がる。
空に上がった後、『打音剣』を大量に放つ。
それに対して男は何もすることができなくなりただアクフの攻撃を避けるしか無くなってた。
しかも、『超速平行移動』はアクフの予想通り連発はできずしてしまえばしばらく動けなくなるという制約がある。すぐに避けれなくなり『打音剣』が直撃する。
だがここで、男があることに気づく。
それを気づいた男は地面に寝転がる。
(うん?急に寝転がった?何をしてくるんだ?)
刀を構えた男は寝転んだ状態で『超速平行移動』を使用する。
そうするとアクフがいる上空まで平行移動し、構えた刀を振り下ろす。
アクフはとっさの判断で『鎮音放』を使い防ぐ。
その後、『打音放』斜め上飛んで距離をおいた。
(もう少しのところで死ぬとこだった。だけど、これは不味い。てっきりあの能力は地面に真っ直ぐにだけ目茶苦茶に早く移動するだけかと思ったら前を向いている方に目茶苦茶早く移動する能力だったなんて。いや、それ以上の可能性にすらあるな。相手が何をしてくるかもう分からないし、こうなったら短期決戦に持ち込むか?よそれで行くしかないから『
アクフは『打音放』で男の真上まで来て〘
その時、〘
抵抗しようと男は『超速平行移動』を使って回避しようとするが、できない。
手も足も出だ出ない男にひたすら地面に叩きつけられるまで滅多打ちにする。
そして、そうこうしているうちに男は地面に叩きつけられる。
いつも通り『鎮音放』を使ったアクフはふんわりと落下した。
反撃として男らアクフの間合いに入ってい事も無げに接近して切り刻んでいく。
アクフは地面〘
その影響によって地面が大きな地震が来たときのようにグラグラと激しく揺れる。
男は揺れによって隙が生まれてアクフにかなりの生力使った『打音放』を叩き込む。
かなりの生力使った『打音放』をもろに受けてしまった男は倒れる。
(早くあの男達追わないと!)
アクフは城に入っていった男達を追って自らも城に入っていった。
――
(この者、強い……。)
数名の男達を退けた義刀は反乱軍の中で目立っていた男と戦っていた。
男が近づいて義刀に攻撃をしようとするが、タイミングを見計らって放たれた『兜回し』を避けるために退けた。
この機を逃すまいと義刀は足に生力を集中的に使い。
消える。
兜太郎の力によって強化された脚力は音速にも至り、男の背中に立つ。
「『
一旦納刀した〘
と、義刀は思っていたが、梟の魂塊×鬼人の耐久力は相当硬かったらしく切れない。
「そんなものか?ならこちらも行かせてもらう。」
男は魂塊の固有能力である『隠密密行』を使って消えた。
(意趣返し……?恐らく魂塊の個別能力の影響だろう。ここは某も消えて対抗……と行きたいところは山々なのですが、返り討ちをしたほうが良さそうですね。)
息を大きく吸って集中し『
男の消え方は義刀がしたような力技で成立させているものではなく、純粋に音を消して相手に気づかれにくくするもののため察知するのは困難。
風が義刀の頬を撫でる。
時間は経っているのに一向に男は仕掛けてこない。
「糸賀喜流、『
義刀がその声を聞く頃には義刀の前には刀が突きつけられていた。
「選べ、降伏するか、死ぬか。」
「某はここで死ぬわけにもいかぬが、降伏するわけにもいかぬ。」
そう義刀が言った次の瞬間、男に刀を突きつけるものが現れた。
刀家である。
(兄上の至宝と言っても良い努力を邪魔するものは排除しなくては。)
そう考えた後、『斬』を使って男を牽制する。
「これはこれは竹戸が出来て以来の天才の刀家様ではありませんか、そんな人と手合わせできるなんて、糸賀喜宗次感激です。」
「兄上の邪魔をするな。直ちに立ち去れ。」
少々の怒りをあらわにしつつも刀家は『邪殺し』を使って刀を折ろうとするが、『隠密密行』が上手だったのか逃げられる。
「刀家、非常に情けないが某とアクフ殿だけではこの騒動を治められそうにない。加勢を頼む。」
「了解。」
二人はお互いの背を向けて辺りを見渡す。
宗次はそんな二人を嘲笑うかのように一向に現れない。
それから数十分後。流石に逃げたと判断した二人は城の方に向かった。
その途中に白湯当を発見した為、戦闘を開始した。
まず、刀家が仕掛ける。ジャブとして小振りの『
それに対して白湯当は受けては絶対にいけないと考え、少し大きめに飛び回避する。
しかし、避けるための回避した隙を狙われて『斬・蜂』を直撃させられた。
それによって白湯当の服は見るも無惨な事になったが、本体は無事だ。
(この男硬いな。これであればもう少し力を強くしても構わないか。)
ここで、隙を見出した義刀が『
だが、当たりはしたものの薄皮を剥くだけで戦闘不能にまではすることができなかった。
ここで白湯当もやられっぱなしはいけないと思い鍬形魂塊の能力『自在鋏』を使って義刀体を挟む。
しかし、その挟むところの位置が高すぎたため義刀を拘束するには至らない。
構えた義刀は『
「俺のことを忘れないでください……よっ!」
『隠密密行』を使い姿をくらましては、攻撃、くらまして、攻撃。
これを刀家に繰り返す。
流石に白湯当の攻撃を避け攻撃しつつ、宗次を対処するのは限界が近い。と思った刀家は義刀に「すいませんが、そこの男は頼みます。」と言い宗次を引き付け遠いところへ行った。
(さて、刀家は厄介な男を担当した。つまり、あの男は某がやらなくてはな……!)
義刀は〘
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