第14話反省と精進
「その程度で俺を追い詰めたつもりか?」
ゴツい奴隷は自身の魂塊の能力を使った。
使った瞬間、ゴツい奴隷から菌のようなものが大量に出てきたと同時に本体は力無く崩れ落ちる。
大量に出てきた菌は集まり、目視できるほどの大きさに変わった。
「驚いたか!これが俺の本体だ!」
(何だ、あれ。まぁいいか、〘
アクフは前々から練習していた動作をする。
『刻』の構えをして『超音剣』を飛ばさずに、〘
「はっ!そんなもので俺は倒せないぜ。」
菌の一体がそう言うと、他の金たちがアクフに向かって特攻を仕掛けてきた。
アクフは少し怒りながら、剣撃をぶつけて菌を1個1個斬る。
(面倒くさい、もういっそ小さめの『
アクフはこれまでに起こったストレスの影響で半ば無気力な状態になり、雑くミニ『
ミニ『
(よし、倒せたな。ナルの様子を……!)
アクフは『
(何をやってるんだ!俺!〘
そう強く思い、頭を冷やすために頭を強く殴った。
そして、少し落ち着いてからナルのもとに駆けつけた。
――
ナルは『
……いや、ナル自身がそう思っているだけで現実だが、黒いものが薄れたその目にはアクフがゴツい奴隷と戦っている様子が見えている。
(アクフがなんでこんなところにいるの?もしかして、私を助けに来てくれたのかなぁ、それだったら、嬉しいなぁ……でも、私。人、殺しちゃったし、そんな私がアクフに助けられる権利なんて……。うっ!)
ナルの頭の中に人を殺したときの記憶がフラッシュバックする。
(いやだ!いやだ!いやだ!)
あのときの感触、匂いがし、パニックになってどうにかなりそうだが、ナルは冷静にふー、ふー、ふー、と深呼吸をして呼吸を整えた。
(んぅ、…………ちょっとだけ落ち着いた。取り敢えず、アクフに加勢したほうがいいかな?でも私、謎の技でふっ飛ばされたし、その技の正体がわかるまで行かないほうがいいよね。)
そうこう考えていると、アクフがミニ『
蹴散らし終えるてホッと息をつき、ナルの方を見ると急に頭を殴った。
(えっ?アクフ、どうしちゃったの?)
ナルが、急に自分の頭を殴ったアクフを心配すると、アクフがナルに近づいてきた。
「ナル、大丈夫か?」
「う、う、う、う、う!」
(アクフの方こそ大丈夫?)と思いながら言葉を言おうとすると、口籠もってしまった。
そう、ナルは久しく人と会話をしていない為、声が思うように出ないのだ。
それを見兼ねたアクフが少し抵抗感のある感じでナルの頭の上にゆっくりと手を載せた。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫。」
と安心する言葉を言いつつアクフはナルの頭を優しく、宝石を扱うように丁重に撫でた。
(この匂い、懐かしい……。アクフの匂いがして、なんだか、胸が温かくなっていってる……今なら話せそう……!)
「う、うん……。アクフ、久しぶり。」
ナルがそう言うと、アクフは少し感極まり、目柱が熱くなった。
だが、今は泣いている場合ではないため、アクフは〘
そして、座り込んでいるナルに立ち上がるのを補助するため手を差し伸べた。
「もしナルが望むんだったら、俺が責任を持って、ナルをエジプトの両親の元に返したいと思うだが、いいか?」
そうアクフが優しく、聞くと。ナルが少し体を震わせながら聞いてくる。
「こんな、人殺しをした私が、奴隷になっちゃた私が、お父さんとお母さんのもとに帰ってもいいの?」
「ナルは自分で殺したいと思って殺したのか?」
アクフの質門にナルは首を横に速くふり、「殺したくなかった……。」と返す。
「それなら、罪はナルにはないよ。もし仮にあるとしたら、奴隷の所有者で、こんな目に合わせた主人にある。それにナルが攫われたとき、ナルの両親に謝りにいって、多分、ナルは奴隷になっているかもしれないと伝えたら、両親は、『奴隷になっても娘なことには変わりない』って言って俺に捜索の手伝いを頼んだからな、ナルは愛されている、だから、帰っても大丈夫だ。」
「本当に、帰ってもいいの?」
「もう一回言うが、帰っても大丈夫だ。」
「それなら……、帰る。あと、ちょっとだけ胸……、貸してくれない?」
そう言うと、ナルはアクフの手を取り立ち上がり、胸に抱きついて、音を立てずに涙を流した。
それからしばらくして、アクフはナルを背負って屋敷から脱出した。
――
アクフはナルを背負い、使用人に捕まらないように逆不方向で逃げていた。
後、途中で街によらないといけない為、自らの首輪も両断し、出来る限り早くエジプトに向かって走る。
その途中で、猪などの動物を狩って村で換金したり、暗くなるか、疲れたりすると野宿をしていた。
これはその中の一幕。
「アクフ、私を背負って走っているのに辛くないの?」
「師匠にとことん、しごかれたからな。多少のことじゃ辛くないな。」
「それって、相当辛かったんじゃ……。」
今までアクフが屋敷から走ってきた距離はなんと400キロ、魂塊を纏わせていたとしてもかなりつらい距離である。
その為、ナルを軽いと仮定しても相当辛いはずだが、本人は平気な顔をしてた。
「いや、俺は重要な所で負けてしまった。そのときに両腕を斬られた時に恐怖ともっと強くならないとナルを守れない、と思ったんだ。だから、こんなことでへこたれていられないだ。」
「そうなんだ……、アクフは私と再開するまで、つらい思いをしてきたんだね……。」
「いや、たしかに傭兵として、戦争に参加しないといけなかったのは辛かったし、大切な友人と後輩も無くしてしまったが、けど、無くしたもの以上に得たものも多かったから、後悔はしていない。」
言い終わると最近〘
『キュュュ。』
言い終わると、アクフは空にあった目線を調理していた"もの"に移した。
「それじゃ、ご飯が出来たから食べるか。」
「本当にそれを食べるの?」
アクフはそこそこの食通である。
なので、イザからは最初、料理がそこそこ出来るものと思われていた。だが、現実とは非情なもので、アクフの料理は絶望的なものだった。
いや、味はそこら辺の店と同格に美味しいのだが、見た目が、この世の物ではない程の一品になるのだ。
「味は安心してくれ、傭兵の頃の親友から「味はいい」とそこそこの評価をもらっているからな。」
「そ、そうなんだ……。」
そう言いながら、料理をデオルが出してきた虫料理をいやいや食べるアクフのとほぼ同じような表情をして口に運ぼうとすると、アクフはその姿が見てられず「やっぱり、それは食べないでくれ」とナルに器を地面に置かせて、戻した。
「う〜ん、アクフがこんな様子だと今夜の料理はどうすればいいの?」
ナルは地面に足をつけて座っていた丸太で足を動かしてぶらぶらさせながら呟いた。
「取り敢えず、今晩はナルの魂塊で出した果物でもいいか?」
「うん、アクフが欲しいなら生力が続く限りあげるよ。……あっ、そうだ。今日は私が作るよ。」
「えっ?ナルは料理、作れるのか?」
「ふっふっ、これでもお母さんの料理手伝いをしょっちゅうしていたから多少のものは作れるよ。」
ナルはえっへんと、胸を張りながら調理に取り掛かった。
まず、ナルはベリープルの能力で様々な種類の果実を出して、切り出した。
それをそこら辺の物を洗い巧みに調味料にした物を入れた、石で作ってある即席鍋に入れる。
グツグツ煮込むこと、30分。
「アクフ、出来たよ。」
「おお。」
『キュュュ!』
ナルか即席皿の中に入れた料理を見て、あまりの見た目にアクフとバファイは舌鼓を打った。
そう、果実一つ一つが輝いているのだ。
「早くしないと冷めるから早く食べてね。」
「分かった。それでは。」
アクフは木で作ったスプーンを使い、スープをすくう。
そして、それを口に運んで中に入れた。
味は様々な種類の味が各々を助け合い、調和を取っており、まるで大自然のような味だった。ただ、後味が少しというか、かなり甘すぎるかな?とアクフは思ったがその美味しさに感嘆を上げ、ナルに料理の感想を伝えるために口を開く。
「おお、自然の味を活かしつつ、スパイスが自ら主張をしている……。旨いな。」
「そう言ってくれると作った甲斐があるよ。」
そう言いつつ、ナルもよそってあるスープを口に入れて(もう少し、甘くてもいいかな……)と思った。
その日、アクフはいつも通り、ナルが寝てから少しの間、筋トレや技の訓練をしていた。
(今のままじゃ、駄目だ。スパルタが攻めてきた時に実感したが、俺はまだまだ弱い。このままじゃ、また守りたいものが守れなくなる。)
そう、自分に強く言い聞かせ、他人が見たらもはや拷問と同義である筋トレや技の訓練をした。
寝る前必死に『刹雪』の練習をして、そこそこの時間が立った為、ある程度の練度になってきた。のだが、繊細な動きと、かなりの速さを用いた切れ味を特徴を持つ『刹雪』はアクフにはあまり合わなかった。
繊細や動きとかなりの速さは持ち合わせていたのだが、最後の一歩が出来ずに不完全の揺れになっている。
その日は〘
だが、あと一つのひらめきでアクフなりの『刹雪』は完成するのだが、それは今のアクフは知る由もなかった。
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