第11話嗤い狂う戦闘狂(バーサーカー)
ナカヤが息を引き取ってから、1日がたち、またスパルタ軍が攻めてきた。
勿論、アクフ達傭兵と騎士は応戦する。
アクフは魂塊使いの敵兵と大量の兵にデオルとモーシャとともに接敵していた
『超音剣』が敵兵士の膝の皮を切る。
だがしかし、敵兵士も魂塊使いではないなりに抵抗する。
アクフの『暴剣』を使っている時の特徴を見切ったのだ。
(この敵兵士。魂塊使いじゃないのに、とんでもなく強い!)
そう、アクフが思うのも当然だ。何故なら、アクフが戦っている敵兵士は魂塊使い等の特別な例を含めない兵士の序列があれば上位に食い込む程の実力者だった。
他の力をただ振るうだけの敵兵士とは確実に違う。
まず、見た目から違う、戦場には似つかない老人であり、大量の刃物を所持している。
だが、アクフは魂塊使いだ。素の力だけでは負けてしまう相手でも魂塊の身体能力上昇があれば、対等とまではいかないまでも、かなり近くの実力になっている。
敵兵士は攻めてくるが、アクフも応戦して火花が散る。
そして、アクフはこれで終わりだと、『超音剣』を放とうとすると。
敵兵士はそれを察知したのかバックジップして後ろに下がった。
アクフは追い打ちをかけるように、『超音剣』を放つ、が。
避ける。
本来人間が聴こえないはずの超音波を使った技である『超音剣』を魂塊で五感を強化されている魂塊使いでもないのに『超音剣』を避けることは不可能に近い。
そう、この男。魂塊使いではないのに、エジプトにゴロゴロいる魂塊使い騎士より上なのである。
(やっぱり、この敵兵士強い!俺の攻撃を短時間で見切ってきた!)
アクフはそう思いつつ、必勝法である空中戦術を使うべく『打音放』を地面に向けて撃ち、空へ舞い上がる。
たが、敵兵士は己の携帯していたナイフのような刃物を取り出して、狙いを定め、放つ。
その刃物はアクフの心臓を一直線に目指し、かなりの速度で飛んでくる。
アクフは『打音放』を使い、体をそらしたが、急なことであったため、完全に避けることは出来ず、腕に刺さった。
(くっ、これじゃ、避けれないだけ不利だな。仕方ない、着地するか。)
『鎮音放』を地面に向けて放ち、着地する準備をする。
当然のことだが、着地先にはアクフに会心の一撃をいれようとしている。敵兵士が構えていた。
(どうする?ここのままじゃ、無惨に斬られる。どうにか、敵兵士を着地地点から遠ざける方法……………、そうだ!これを使おう。)
アクフはその状況を回避するために、携帯していた〘ソールド〙を着地地点に投げ、『鎮音放』をジグザグに放ち、その様はまるで迷路を作るようだった。
そして、プチ『
(これで、どうだ!)
敵兵士は再び刃物を投げてきたが、その時にはすでにアクフは地面に降りており、〘ソールド〙を回収して、防いだ。
「お主、中々やるのぉ〜。」
「お前もな。」
「しかし、もうこれで終わりかのぉ〜、『
敵兵士は素早く、空高くに跳ね。アクフの真上まで来て、速いがどこか所々で速さを減速させており、要領を得ない軌道をしている。
アクフは『刻』を使って構えた。
そして、2つの軌道がぶつかる。
片方は下へ。
もう片方は上へ。
その決着は上に上の軌道を描く者が制した。
アクフは敵兵士の利き腕を両断して、自らの傷を確認する。
そして、周りを確認すると、エジプト側の騎士が他の兵士殺すか捕虜にしていた。
敵兵士は急に喋りだしたので、アクフは何事かと兵士の方を見た。
「見事。わしを倒したお主なら、わしが生涯をかけて編み出した魂塊使いも屠る『刹雪』をさらなる高みに至らせることができじぁろ。」
敵兵士はアクフに、冊子を渡す。
「いいのか、敵の俺に渡して。」
「わしは武に生きる者。本来、魂塊使いは大嫌いじゃが、お主は違うからな。わしにとっての孫のような『刹雪』をさらなる高みに登らせてやってくれ。」
「分かった。」
「あとは殺せ。」
「いいのか、奴隷にはなるが腕は治る。」
「負けた老いぼれに価値はない、次世代に託すしかないじゃ。」
「分かった、その要求、飲もう。」
アクフは出来るだけ苦しみなせないために、出来る限りの速さで〘
「さようなら。」
アクフは真顔で一旦回復するため撤退した。
後に老人が渡した冊子を警戒しながら開けると、そこには『刹雪』の会得するための合理的な練習方法と敵兵士が言ったとおり、生涯をかけた重みが確かにあった。
そして、アクフはソルバによって治療を受け、傷は治り、少しの間休息をとっていると、デオル達から救援要請が来た。
アクフとソルバは他の兵士を引き連れて、救援に向かった。
――
アクフ達が向かった先には騎士の死体とデオル、モーシャ。
最後に嗤い狂い「ヒィィ!フイッッッッッ!」という奇声に近い雄叫びをハイテンションのまま上げて、十数本中に浮き、剣を持っている腕を使うローガが居た。
(なんだあれ?なんで腕が何本も浮いているんだ?いや、大体おかしなことは魂塊たから、多分あの敵兵士のせいだとして、どういう能力だ?)
ローガが大量にある腕を使い、薙ぎ払うと、デオルとモーシャは吹っ飛んだ。
(間違いない、この圧倒的な力、こいつ神を模した魂塊使いだ。)
「ヒィィ!フイッッッッッ!
「アクフ!挟み打ちにして倒すぞ!」
「はい!」
ソルバが『黄泉送り《インヘル》』を使いローガを引き付け、アクフは『暴剣』の構えで、後ろ側に回る。
そして。
二人がローガ越しにかさなった時二人は今できる最大の技をぶつける。
「『
「『
その技が当たる数秒前にローガは口を開く。
「ヒィィ!!!フイッッッッッ!!!中々!!!
ローガはテンションが更に上がり、同時に能力が上がる。
その後に360度、浮いている腕を動かして。
滅茶苦茶に切り刻む。
その滅茶苦茶な攻撃をアクフは『
しかし、『
アクフは『鎮音放』を着地点に撃ち、衝撃を和らげ、無事着地すると、少し考える。
(不味いな、相手は俺の『
そう、考え、アクフは辺りを見渡すと、デオルとモーシャが居た。
(………!そうだ!これで勝てる!)
「大丈夫ですか!師匠、モーシャ。」
アクフが安否の確認を取ると、デオルは「これくらいは【鬼槍】として、全然平気です。」モーシャは「アクフ先輩お気遣いありがとうございます、まだ戦えます。」と答えたので、アクフローガを倒せるかもしれない作戦を話した。
そう作戦のすり合わせをしている時、アクフとは反対側に吹っ飛んだソルバを追ったローガが戦っていた。
「ヒィィ!!!フイッッッッッ!!!お前中々!!!良いな!!!もしかしてお前が!!!王暴か!!!?」
ソルバはローガとの場数の数の差で、何とか持ちこたえている。
(やっぱり、こいつ、戦争なのにテンションが高すぎる。まるで狂っているようだな。あと、王暴というのは、気になるが、今はおいておこう。しかし、このまま打ち合っていっても埒が明かないな、どうにかしたいところではあるが……。)
「ヒィィ!!!フイッッッッッ!!!さて!!!俺の気分は突風より
ローガの増えた腕が、集合し、一つになり、ソルバに襲う。
ソルバはそれに対して、生力を使い、脚の強化をし、全力でバックジャンプをすることによって避けることが出来た。
(防戦一方だな。このままのペースで生力を使うとなると、俺の生力が底をつきそうだ。)
ソルバはそう考え、バックジャンプで取った距離で、一旦逃げることにした。
ローガは当然、逃げるソルバを追う。
だがしかし、ローガの歩みを止めようと、アクフと共にソルバを探っていたモーシャの『
ローガはモーシャの全身全霊の一撃をもろにくらい、少し火傷をし、ふとっんだ。
アクフとデオルはその隙に、ソルバに近づいて、話しかけた。
「ソルバ副団長。俺に作戦があります。聞いてもらえませんか?」
「ああ、良いぞ。だが、もうじき推定神を模した魂塊使いがこっちに来るだろうから、手短に頼む。」
「分かりました。まずは――」
アクフが話した作戦は、まず、ソルバがデオルを抱えて、ローガの周りをワヒドの力で全力疾走し、デオルが『
「分かった、他に手はない、それでいこう。」
ソルバは急いで、デオルを抱えて、ローガの元へと向かっていく。
「ヒィィ!!!フイッッッッッ!!!今のは中々!!!痛かったぜ!!!そう!!!俺が痛かったんだ!!!青天井で強くなっていく俺が!!!」
もの凄いハイテンションでアクフの方に向かっていくローガ。
もの凄い速度でデオルを抱えながらローガに向かっていくソルバ。
そのソルバはアクフの作戦通りにギリギリの距離まで詰めて。
「デオル!頼む!」
「分かりました!」
デオルは『
その次の瞬間、ソルバは生力を注ぎ込み、ローガの目にも止まらない速さで。
回る。
廻る。
回る。
そうすると、ローガの周りに形は綺麗と言っても水は
ローガは重たいフルプレートアーマーを装着している為。四方八方が水の状態では身動きが取れない。
しかも、飛んで外に出ようとしようものなら、飛んで火に入る夏の虫の如くボコボコにされる。
そこで、アクフはローガの腕を破壊できないかと、『超音剣』を数発放ったら、破壊出来た。
「ソルバ団長補佐!モーシャ!あの腕は破壊できる!あの腕を狙ってくれ!」
アクフの声に反応し、ソルバとモーシャは腕の破壊に移り、デオルは更に、汚水の空間を広げ、中のスペースを狭める。
「ヒィィ!!!フイッッッッッ!!!流石に!!!俺様でもピンチだ!!!」
ローガがそう言葉を発した時には、宙に浮く腕はなくなっていた。
その後、宙に浮く腕を失ったローガにアクフ達はとどめを刺そうと、アクフは通常より勢いを持った『
ソルバは『
その3人の攻撃は、見事にローガに直撃して。
ローガの意識は飛んだ。
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