取り合わず
「どうしたんですか、霜降さん」
重役らしい広々としたデスクと、長時間座っていても疲れないと評判のイス。いつ見ても余裕たっぷりの微笑みを浮かべている〝組織〟こと『
対峙するのはポニーテールの美女、霜降
「暇なんですか?」
金曜日に全員が退勤してからの翌日までが準備時間。指定された時間よりも早く到着する者もいただろうに、ずいぶんな嫌がらせである。
「見ての通り、忙しくて忙しくて目が回りそうですよ」
見ての通りと言えども、作倉の瞳は色の濃いサングラスにさえぎられていて見えない。
「では、受け取るべきものを受け取ったらすぐにお
芦花と千夏が動き出してからすぐに、伊代はこちらの部屋に移動してきた。作倉は悪びれずに「空っぽではさみしいので、みなさんが喜びそうなものは入れましたよ?」と言い返す。
「……そんなことだろうと思っていました」
「あなたとも付き合いは長いですしねぇ」
作倉は引き出しから正しい金額が入った封筒を取り出す。デスクの上に出して「ああ、こちらの部屋にある封筒は、他の人のを見つけても渡せませんよ」と付け加えた。
「それは、私ではなく、これから来るであろう人たちに言うべきではないかと」
取り合え! ボーナスの金! 秋乃晃 @EM_Akino
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます