トリはコメントしたい！

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「あー、またトリが会えない話だー。まぁそうなるよねー！」

　トリは、某小説投稿サイトの愛されマスコットキャラ。

　今日は運営が出題するお題の発表日である。

　お題は「トリあえず」

　早速お題を受けて投稿された作品を読んでいくトリ。

　トリが誰かと会えない話、トリが食べ物を和えないで食べる話、鶏肉と何かを和えないで食べる話……想定内だ。

　この内容で書くユーザーが多いだろうと思ったので、トリの名前使ったお題にしてもいいよ、と承諾したのだ。

「お？　これは……！」

　たまに別の話を見かけると、ハートを押したくなるが、耐える。

　トリはどんなに投稿作品が良いと思っても、ハートも星も押してはいけないのだ。

（あー、その発想はなかったってコメントしたいぃい！）

　トリを和えないで食べてしまう、という話を読んでしまった時は、思わず自分の体を見つめてしまった。

　我ながら素晴らしきわがままボディである。

（……た、たしかにちょっとぽっちゃりしてるかもしれないけど。だからって……！)

　涙を拭う。

（ま、でも食べちゃいたいほど可愛いとか言うしね！）

　トリは、そう思うことにした。

　そして、締切日。

　トリは泣いていた。

　鳴いていたではない。涙が出る方の、泣きだ。

（みんなトリのこと、食べ過ぎでしょ……）

　しかも、和え物ばかり。

　他の食べ方は無いんかーい！

　あと、食べちゃったからトリ（にもう）会えず、って、当たり前だろうがあああああ！

「……はっ！？」

　怒りのあまり、クチバシでパソコンのモニターを突きそうになってしまった。

（だめだめ。トリは愛されキャラなんだから……愛され……てるよね？）

　一気に不安になり、某SNSでエゴサーチするトリ。

「………………」

　トリは静かにアプリを終了させた。

　うん、トリは何も見なかった！

　見なかったよ！　泣いてないよ！

　リサーチした場所が悪かったんだ、きっと。そうに違いない。

　トリはトリあえず、サイト内の機能のひとつ、近況ノートをチェックすることにした。