セトリはこちらです。
倉沢トモエ
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とりあえずコークハイ、なのだが相変わらずこの
顔はいいけど練習が足りない奴とか、上手いのにステージでメンバーと喧嘩すんな、みたいな奴とか、生暖かい気持ちで暗闇の端っこに立っていた訳だが、そこのゴスロリ二人が帰りの電車の話をし始め、あー今日は平日だったと気がついた。時計を見たら時間が押してる。さっきの「音楽に集中するため、カイシャ辞めましたー!」とかぶち上げてた奴らがアンコールもかかってないのに持ち時間をかなり長引かせた。カイシャ辞めたの別な理由なんじゃないの。どうしよう、トリまであと三組あるよねえ。明日日直なんだけど。うわあほんとにあの娘たちJKか。
「お願いして順番変えてもらいましたー!」
ゴスロリたちが安堵していた。よかったね推しがファンの年齢層考えてくれるバンドで。しかしV系の系列の子はギターやたら巧いのなんなんだろうか。トリの予定だっただけあって、会場はかなり熱い雰囲気になって、居心地よかった。
◆
「ありがとうございました。助かりました」
全組終わると、日付が変わっていた。
「いや、気にしないで。偉いよね気遣い」
機材を運び出してた高校の時の先輩に、さっきのV系の子が挨拶してた。いい子じゃん。
「あ、永山、来てくれてありがとうな。久しぶりだな」
「あはは、先輩たちだけ浮いてたけど、良かったですよ」
「ブルースおじさんがトリで、しんみりさせちゃって悪かったな。はははは」
本日のセトリ、ラスト曲はThe Band の“The Weight“。
「客層、めちゃくちゃバラバラだったね」
先輩、深夜に大声で笑ってはいけない。
セトリはこちらです。 倉沢トモエ @kisaragi_01
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