後書き・解説

 このお話は人生の処女作を少し読みやすくした作品です。思い付いたものを書いただけなので場面が区切られていて、時間の経過を感じることが難しい作品だと自分でも思います。正直書き方も含めて出来が良いとは言えないかも知れませんが、私としては書きたい部分を書けた小説でしたので、このような場に出せたことに満足しています。

 以降はちょっとした解説となります。


 前提として、「私」と『彼女』は同一人物です。「私」の憧れである『彼女」は、臆病な「私」が作り出したもので、意識的に作る二重人格のような感じです。『彼女』は「私」の理想像、となります。

 『彼女』は「私」と同じ人物ですが、どう言うわけか自分に自信が持てない「私」は、『彼女』で自分の身を守ろうとします。しかし、結局は最後の最後で自信の失くなった「彼女」を用無しとでも言うように、元の自我である「私」が代わりに『私』になろうとしてどちらも死んでしまいます。

 舞台の言及はありませんが、主人公たちはちゃんと登校、出勤しています。その中での『彼女』の態度は、見る人から見れば傷付くような言動を目指しました。出る枕は打たれるとも言いますし、堂々と集団の中で独立し、一際目立つ人を意識しました。

 最後の場面は、主人公の心情や思考がめちゃくちゃです。「私」を守るために作られた『彼女』がいつの間にか「私」よりも弱くなってしまい、憧れでもない「彼女」は要らないと、追い越そうとします。

 「私」がわざわざ『彼女』に勝とうとした理由はなんだったのでしょう。最後に『彼女』に対する劣等感を失くしたかったのか、『彼女』がいなくなったことで「私」が対人関係を築いていくのが嫌だったのか。そもそも「私」は最初から死ぬつもりがあったのか、ただ不要になった「彼女」の代わりに『私』になりたかったのか。作者は言及致しませんので、想像におまかせします。


 ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

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憧れの人 恋子 @renko_ngn

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