【黒歴史】嫁には内緒の小説毎日投稿生活

さんが(三可)

【黒歴史】嫁には内緒の小説毎日投稿生活

 始めて書く小説。何を思ったか、365日の毎日投稿。


 少しでも時間があれば、PVやフォローに評価を確認し、一喜一憂する。


 「一攫千金」や「小遣い稼ぎ」といった安易な考えがなかったかと云えば否定出来ない。ただ、それだけでは365日の毎日投稿を継続することは難しいだろう。


 私を動かしたのは、「嫁に負けたくない」というライバル心。体調を崩しても、39度以上の熱があっても、スマホは離さない。少しでもメモを取り、毎日投稿を継続する。


 そう、私がチェックしているのは、私自身の作品の評価だけではない。


 嫁の投稿作品への評価。仮に、私の作品のフォローが減っても問題ない。重要なのは、「嫁の作品との差」なのだから。

 だから私のスマホには1年間、2つのタブが開かれたままになっていた。私と嫁のデータを比較する為に。


 そして1年後、私は燃え尽きた。


 コロナが終息に向かい、抗うことの出来ない仕事の山に、毎日投稿が難しくなった。それと同時に、私の心は折れた。


 小説は、「承認欲求」や「読まれてこそ意味がある」という論調を良く見かける。その度に「それだけじゃない」と言いたかったが、続けている理由が「嫁に負けたくない」とは言えない。

 もちろん「趣味で小説書いてます」と言えるだけの自信や自負もなく、どこか後ろめたさはあった。




 先日、ある句会ライブに行ってきた。


 俳句は、難しくない。まずは、「5音の季語」と「12音のフレーズ」の組み合わせをつくること。


 しかし、細かいことは気にするな。初心者は、「12音のフレーズ」すら守る必要はない。とにかく、文字を、数をつくること。音数は、慣れてから考えよう。

 1日5分でも、俳句を考える。新聞や広告を見て、音数を指折り数える。それだけでも脳は活性化し、ボケ防止になる。

 ボケ防止の効果には、「才能あり」も「才能なし」も関係なく、同じ効果があるそうだ。そして、たまに懸賞が当たる。


 これには、私の小説も同じ気がした。


 間違いも、誤字脱字も多い。だが、「ボケ防止」や「懸賞要素」は当てはまる。たまに、アマギフや商品が貰える。それは確かな実績でもあり、ネット小説を続ける理由となり得る。

 そして、私が当たった「カクヨムボールペン」に、嫁は悔しがった。結婚してから始めて見る悔しがり方。


 私の趣味は、小説を書くこと。


 今でも嫁には負けたくない。でも、今はそれだけではない。

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