麦茶は清涼飲料水

大正時代

水を避けた先の酒

ソファーで目覚めた朝もある。


 布団で目覚めた夜、隣においていた麦茶を飲む。圧倒的に麦茶のほうがうまいから、麦茶を飲む。


 水はほとんど飲まない。麦茶を飲む。

 コーラは飲まない。麦茶を飲む。


「少し、水を飲んでみな。」

「え?水なんか飲まないよ。」

「まあ、ちょっとクイッと。」

「いや、飲まないね。」

「はい 飲んで飲んで飲んでぇ〜

    こんなの水だよ!

    飲んで飲んで飲んでぇ〜

    水なら飲めるよ!」

 

喉に水が通る。


「うぃー」


「ほら、こうすりゃ飲めんだよ。酒をもう一杯!」

 

 酒を飲んだか、ただの水なのかの境目はだんだんと曖昧になる。まあ、私は水は飲まず、酒を飲むので、酒が水かで飲むのはほとんど酒と言って過言ではない。


 なぜ水を飲まないか?生まれてきてから麦茶を飲み続けてきたから。別に続けることが正義と思っている人間ではない。携帯会社でずっと同じ会社であることを良いことと思っていない。ただ、美味いから。絶対的に拒んでいるわけではなく、たまに水を飲んでみるが、やっぱり麦茶のほうが良いな、と感じる。


寿司屋に着いた。

「水とってきたー。」

俺は水をごくごく飲む。

「麦茶あんなに好きなのに、寿司屋の水はお前ごくごく飲むよな。」

「寿司屋の水は勝てない。」

「何だそれ。」

「昔は白身食べられなかったけど、今は普通に食べてるし、もしかしたら、自分はその内、水を普通に飲んでいるかもしれないな。」

「俺は一生マグロとサーモンしか食べない、味の感じ方の少ない人間なのかもしれない。」


寿司屋の後は本屋でしょ。

そして、一時間半で書店を出るでしょう。

のどが渇いて自販機前。


麦茶がない。


「最悪の自販機だ。買う飲み物がない。」 

「たまには、麦茶以外も飲め。」

もう面倒で仕方がないがないという強い気持ちで、なんとか緑茶のボタンを押した。


ゴトン ゴトッ


緑茶が出てきた。緑茶を飲む。

「緑茶うまい。」 

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麦茶は清涼飲料水 大正時代 @agf-coffee2

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