第5話 禁書
ヴァーユがグロッキーになった日の夜、
水面下でとある悪行が行われようとしていた。
「、、、リーダー、準備OKですぜ。」
「分かった。」
それは20人ほどの盗賊団であった。
「俺たちはこれにより、草の都の学術会の地下に保存された禁書を盗む。できるだけ静かに行くぞ。」
「「了解。」」
禁書。500年以上前に起った世界魔獣戦争に使用され、殺戮をするために開発された、神威模倣技術「魔法」の元になったと言われる古代魔法が記された書紀を指す。現在は禁書の大半が草の都の特別封印地下施設と帝都封印施設に保管されている。その禁書を読める人は非常に少なく、古代文字で書かれており、最も昔から存在した岩の都を中心に各都のエキスパートが管理を担っている。公には公表されていないが、神威模倣技術「魔法」はガイアが人生の大半をかけて、開発した技術である。そのため500年以上前から生きている神威達は密かにガイアのことを「魔法の母」と呼んでいる。ちなみに現代で多くの人に使われる魔法は、少々弱体化されている。
「まずは侵入からだ。葉癒宮の地下に禁書が保管されている。行くぞ。ついて、」
「あらあら、泥棒猫がいるようですね~」
「ッ!!総員戦闘用意!!」
盗賊団が動こうとした時に後から声がかかる。
「私が書いた禁書はある意味、私の子供です。私の子供を盗むのなら、この魔法の母である、私ガイアを倒してから行きなさい。[
盗賊団の足元から多くの蔓が伸びてくる。盗賊団を逃がすまいと、壁を伝い足元へ、忍び寄ってくる。
「ッ!!上に逃げろ!!捕まったら終わるぞ!!」
はじかれたように、盗賊団のメンバーが飛び上がる。しかし逃げ遅れた3名が蔓に飲み込まれる。
「クソッ!!」
「あら、いい反応速度ですね。なら私も手加減は致しません。私の神威模倣技術を受けてみなさい!![
ガイアの周りに光り輝く古代文字のフレーズが飛び交っていく。それを一瞥したガイアがそれらの古代文字をつなぎ合わせていく。踊るようにステップを踏みながら、あっという間に術式が完成していく。まるで、夜の舞踏会のようだ。周りにいくつもの雷の槍や岩の弾丸、火の剣、氷の矢が生成されていくのを除けば。気づいている者もいるかもしれないが、[偽・神威:メトルド・チルジシェル]自体には攻撃能力は無い。メトルド・チルジシェルは周囲のエネルギーを使用し、幾つもの古代文字をつなぎ合わせ、起動することにより初めて攻撃することができるのである。本来ただの人間がそれを行うにはとても時間がかかることであろう。しかし、ガイアは100年にわたって続いた、世界魔獣戦争をそのメトルド・チルジシェルで生き抜いて来たのである。それ故に術式を構築する速度はまるで、光の速さである。
~[術式構築:サンダートライデント、ロックバレット、ファイアーソード、アイスアロー。構築数各20。]~
「
盗賊団に数々の術式が突き刺さっていく。音の無い轟音が辺りを埋め尽くし、周りの壁は破壊されていく。さらにガイアは術式が発動した瞬間に次の術式を構築し、すぐ発射していくため、傍から見たら次々と空から地面に4色の光がガトリング砲のように地面に発射されて行くように見えるだろう。
そして、盗賊団のリーダーは死ぬ間際にこの魔法は綺麗だなぁと思って、雷の槍に串刺しにされたのだった。
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ガイア
源の神々の話 ~冥導堂~ 雪をふらすyuki @yuki37983
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