戦え‼ ツンデレ占い師セツ子 最終回

タヌキング

第666話 大団円‼ツンデレ魔法少女永遠に‼

前回までのあらすじ

ダマスデスを影で操っていたビックバン城崎を、オロチ血に目覚めたセツ子は無に帰すことに成功。遂に世界に平和がもたらされたのである。



「はぁー、気が抜けたわぁ。」


黒いローブを身に纏った少女が占いの館【球体館】の薄暗い占いの一室で気の抜けた表情をしている。そう、彼女こそツンデレ占い師 球体関 節子(きゅうたいかん せつこ)なのである。


「もう節子ちゃん、ちゃんと占ってよ。」


テーブルを挟んで向かいに居るのが、節子の親友で戦友でもあるミドラー幸恵(ゆきえ)であり、今日は幸恵が節子に占ってもらっているのだ(バトル占い師は自分自身の占いが出来ないのは世界の常識だよね♪)。


「うっさいわねー、ちゃんと占ってるでしょ。タロットカードで。」


「もう節子ちゃん。それタロットカードじゃなくて遊戯王カード。さっきから絶対守備将軍を攻撃表示から防御表示にして、防御表示から攻撃表示にしてるだけよ。カードで作者の年代がバレるんだからやめなさいよ。」


「あら本当だ。絶対守備将軍なんて守備で使う以外は使い道無いのに、アタシ何やってるんだろう。」


占いもせず、デュエリストとしての腕も落ちてしまったことに少し落ち込む節子なのであった。


「やっぱり、アメリカに行った誠也(せいや)君のことが気になるんでしょ?どうして『アメリカのパツ金のボインちゃんがアンタの運命の人よ‼』なんて嘘言っちゃったの。」


「う、うるさーーーーーーい‼もう出て行きなさいよ‼角材で殴るわよ‼」


「ひゃあーーーーーーー‼」


節子の逆鱗に触れた幸恵は占いの部屋から出て行き、こうして一人占い部屋に残った節子は好きだった誠也のことを悶々と考えるのである。

バトル占い師は好きな人の行く末も占うことが出来ない、それなのに節子はパツ金のボインちゃんがアナタの運命の人と嘘をついて誠也をアメリカ留学させたのである。それはダマスデスの最終決戦に彼を巻き込まないための配慮、不器用な乙女心が導き出した結果であった。


「世界は平和になった・・・でも私の心は晴れないまま、今日も安酒飲んでワンマンショーかしら。」


“ガチャ”


占い部屋の扉を開く音がした。もう今日の予約の客は居なかった筈だと節子は首を捻る。


「誰?悪いけど今日はもう閉店よ?」


「俺だよ。」


現れたのは黒い革のライダースジャケットを着た童顔の少年であり。この男こそ誠也であった。


「せ、誠也、どうしてココに?」


「パツ金ボインは俺には合わなかった、ただそれだけのことだ。」


「ふ、ふーんだ、占い師の言うことを聞かないなんて、地獄に落ちるんだから‼」


こんな時でも素直になれず、つい強がりを言ってしまう節子。だが幼なじみの誠也には全てお見通しであった。

ダマスデスを倒した今、もう二人を隔てる障害は何も無い。


「節子、結婚しよう。」


ライダースジャケットのポケットから小さな箱を取り出し、節子の目の前でパカッと開ける誠也。そこにはエメラルドが輝く指輪が入っていた。


「こ、これってプロポーズ⁉」


嬉しい反面、疑ってしまい辺りをキョロキョロしだす節子。前に同じ様なことを言われてドッキリだったことがあるので、隠しカメラを探しているのである。


「おいおい、ドッキリじゃねぇよ。これ真面目なプロポーズな。それで返事は?」


「・・・お、オッケーよ。アンタみたいな奴、他に結婚してくれる人居ないでしょうし、結婚してあげるわ。」


「フン、素直でじゃねぇな。まぁ、そういう所も可愛いんだけよ。」


「バ、バカ。」


激しく抱き合う二人。十数年の時を経て、素直になれなかった男女が、ようやく結ばれたのである。


「ライダースジャケット似合って無いわよ。」


「あぁ、知ってる。」


ご愛読ありがとうございました。タヌキング先生の次回作にご期待ください。



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戦え‼ ツンデレ占い師セツ子 最終回 タヌキング @kibamusi

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