第1話ー出会い その1
私のことを知っている人たちは皆、私のことをどう思ってるかと聞くと、「優しい天使」と答える。
あながち間違っていないと思う。だって、ボランティアにもよく参加してるし、困っている人がいたらすぐ助けるからだ。
まぁ、正直に言うと、ボランティアは内申点のためだし、助けるのはちょっとめんどくさい。だけど、無視すると心がモヤモヤだとするから助けるようにしている。
しかし、私が知り合いにあのように言われているのはこれらが理由ではない。いや、もしかしたらちょっとは入っているかもしれないが。
そう、何を隠そうこの私ーアクアリア・レンティークは攻撃魔法が全く使えないのだ。
もう一度言おう、全くもって使えないのだ!
それを隠すために学校で攻撃魔法の授業があるたびに仮病を使って休んだり、「人を傷つける魔法を覚えるのはヤダ!」と駄々をこねていたらいつのまにかああいう印象を与えてしまったようだ。
だが、本当は使いたい。かっこよく岩とか破壊したい!と思って隠れて練習をしていたのだが何故か回復魔法が上達してしまった。ついでに種に魔力を込めれば一瞬で花が一輪咲く魔法を習得した。
こんな穏やかな魔法しか使えないので将来はお花屋さんになろうかなぁと思っていたのに・・・・
☆
窓から差し込む陽の光、チュンチュンと鳴く小鳥のさえずりで目が覚めた。
身だしなみを整え、朝ごはんを作る。
何と清々しい気分なのだろうか。最高の目覚め、寝癖の少ない髪、まさかの二黄卵。
神様が私に微笑みかけてくれている気がする。今日は何があったって許せる。
お父さんが私の一人暮らし用に用意してくれた家が山奥にあって、学校まで飛んで行っても片道2時間とかいう立地のことも許せ・・ないな。うん、それは許せない。
まぁ、いいや!さぁ、いざ行かん!リンブル魔法高等学校合格発表の場へ!
落ちた
攻撃魔法試験0点は流石に駄目だった。他の教科でカバーすればいけると思っていた時期が私にもありました。
家に帰る足取りが重い、足取りというか羽どりなんだけど。これから先どうしよう。
一旦冷静になるんだ私!深呼吸をして、
スーハースーハースーハースーはぁ↓
なんで私がこんな辛い目にあわなければいけないんだ。不甲斐ない自分に怒りがわいてくる。
こうなったら家に帰ってやけ食いをしてやる!合格祝いのためにいっぱい買い込んどいてよかった。まぁ私合格してないんですけどね!ははっ!辛くなってきた、負のループに入っちゃってるよ。
何も考えるな、無の極地へと達するんだ、まずは何も考えずに家に帰るんだ。そうと決まればダッシュだ!!
うおぉぉぉぉぉぉぉ!!
はぁはぁはぁはぁはぁ、
うおぉぉぉぉぉぉぉ!!
はぁはぁはぁ、やっと着い・・あれ?私の家の前で人がぶっ倒れている・・・何で!?
弱々天使の嫌々奮闘記 清水水清 @S181004r3450
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