第4話
「優人着いたぞ…トランクに入ってる荷物出してくれるか?」
土曜の昼過ぎ、金曜日の夜から車を飛ばし…途中仮眠を取ったりしながら、ここまで来る道中で昼飯に蕎麦を食って腹ごなしをし、
とある沿岸部にあるバブル期に塩田を埋め立てて作られた海浜リゾート跡地まで来ていた
「くっさ!?臭い!鼻がもげる!なんだよココ!?」
「うーん、ここは昔塩田を埋め立てて作ったリゾート開発地だったらしいんだが…
事業に失敗してそのまま放置されてるみたいでな?
詳しくは知らんが、海水を排出するポンプが壊れてそのまま放置されてこの惨状らしいぞ?
マジで時期が悪かったな…腐敗臭が体にこびりつきそうだな…
冬場とかならここまで臭わないらしいんだが…コレはヤバいな…
っていうかお前よくマスクも着けずにいられるな?」
「オレにもマスクくれよ!?」
「ほらよ…、ちなみに今から向かうのはその元リゾート地の中心地だ」
「うわぁ…最低だな」
ゲンナリとした顔をしているが…ここからがもっと最悪なんだがな?
「行くぞ?さっさと着いて来いよ?」
元リゾート地とゆうことで至る所にその名残を感じる建物が腐敗した状態で残っているのが見える
その中の一つのコテージが今回の目的地だ
「そんで、こんなとこに何があるんだ?別に何か祀られてるとか曰く(いわく)がありそうなもんとかも無さそうなんだが?」
「優人…蠱毒って知ってるよな?」
「そりゃ…ってそういう系のもんがあんのか?」
「だな?誰がこんなとこに持ち込んだのか知らんが…今回の元々の依頼は去年の冬頃行方不明になった香道家の捜索依頼だったんだが、
まぁその人自身は既に食われたあとで遺体も出てこないだろうって事で捜索依頼も取り消されたんだが…「なぁ?」うん?」
「香道家ってなんだ?」
「ぁー、香道家ってのはまぁ一般的なほうだとお香の家元の事だっけな?
コッチの業界だと線香とかお香とか最近だとアロマオイルとかあるだろ?
あれを使用して対害生物の誘導とか対応とかしてるやつらだな?
まぁ、裏では自白剤替わりに使われてるとか一部のヤツらは呼吸器や脳を破壊したり、
洗脳や催眠状態に近い状態を作り出したりしてるって噂も聞いた事あるな?」
「うわぁ…ヤバいやつらじゃん」
「うーん、どうなんだろうな?ウチも似たような噂はあるからな?」
「マジで?」
「例えば俺やお前の使ってる【心結界】とかも人を廃人にするとか人格操作する危険な術として監視対象にするべきだみたいな過激派も過去にはいたらしいしな?
まぁ、廃人にするとかは可能か不可能かで言ったら可能だしな?
人格操作に関しては完全にデマってゆうか…まぁ、実際にはせいぜい出来ても下級の妖魔とか他人の式神っていうか紙人形を動かすことぐらいしか出来んけどな?」
「そんなん出来るん?」
「ん?式神の操作の事か?」
「それそれ」
「うーん、出来るっちゃ出来るけど抵抗されたら無理だぞ?
それに式神もそうだが、妖魔やら妖怪やら異能生物やら操るならメジャーなとこだと陰陽術とか退魔術とかイタコとか他にいくらでも確立された方法があるし、
そっちのほうがノウハウも術としての適合性もあるから意味はあんまりないぞ?」
「抵抗されなきゃ良いんだよな?それって自分にもかけられたりするん?」
「何を想定してるのかわからんからなんとも言えんが…
抵抗が無ければ理論上は可能なんじゃないか?
かけたとしても自分を自分で動かすとか術で動いてんのか、
自分で考えて動かしてんのかわからんから基本的に自分にかける意味は無いと思うけどな?ってか、ホントにめんどくさいなココ臭いわ虫は多いわ足元覚束無いわで良いとこ無しだな⋯って言ってたら着いたか」
「ココにあんの?なんも反応無いけど?」
「ぁー、このあいだも言ったろ?行くだけなら危険は無いって」
「ぁー、確かにそんな事言ってた気がすんなぁ?封印とかはされてないって話しだったよな?」
そうなんだよなぁ⋯今回のコイツは封印や結界なんてもんじゃない⋯完全にイレギュラーだ
「準備もクソも無いが、じゃあ開けるぞ?すいません、お邪魔しまーす」
扉を開けると、外気よりも明らかに濃い腐敗臭が漏れ出てきた
「いらっしゃい待ってたよ」
まだオレの隣空いてますよ?~謝罪はいらない!ハーレムを~ アンサンブル @semble
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