第3話
最近は藤井とサクラは頻繁にデートもし半同棲のように過ごす事も多い。
幸せな時である。
二人でいる時の話題はぼ手帳の中にある数字と記号との取り組み解明である。その解明には殺害された立花の周辺情報がもっと必要であると二人の意見は一致している。
今まで知り得たのはテレビ報道からの、立花の祖祖父が金塊を隠し今に至ってもそれを発見するに至っていないと言う事実である。
当時は大きな話題になり皆はこぞって金塊探しに躍起となったが発見には至らなかった。
それから長い年月が過ぎ話は完全に風化していたが、トリカブト殺人事件を機にそれが再燃したのである。
二人は情報を得る為に立花の故郷の長野のA市へ車で行く事になった。
改めて手帳の中の数字と記号
293 307 311 313 317 331 337 347 349 353 359 367 373 379 383
389 397 401 409 419 421 431 433 439 443 449 457 461 463 467
それ以外に
EL・・・ NL・・・
これらを見つめてもなんの発想も湧かなかった。
夏の休暇が始まるのを待って二人は藤井の車で長野へ向かった。
首都高から中央道への道は渋滞を越えれば快適なドライブであった。岡谷ジャンクションを過ぎ伊那インターで降りて立花の出身地B町へ向かった。
二人が見た田舎の景色は綺麗に舗装された道が続きその周辺には歴史を感じさせるお寺や古ぼけた家並が続いたが人影は無く寂しさを感じさせた。
これが過疎化なのかと感じさせた。
二人の立花に関する情報には彼の生家の詳しい住所はなかった。しかし、とりあえず行こうとここまで来たのである。
寂しいながらもやがて町の中心部らしい所が見えた。
町役場が見える。食堂もあり二人はなんと無くホッとした気分であった。車の止めやすい蕎麦屋を見つけそこへ入った。ランチも過ぎたせいか二人以外に客は無く静かである。長野へ来たからには評判の蕎麦にしようと歳のいった主人にそれを注文した。
やがて主人が出来た蕎麦を二人の間に置いたのを機に藤井は
「この辺に立花さんと言うお宅は知りませんか」と聞いた。
主人「ああ、例のトリカブト事件の・・,刑事さんやテレビの人が来てなん度も聞かれましたよ、あなた方もその関係?」
藤井「いえ違います、ただ知り合いなので」
主人「この辺には立花性は多いですよ。亡くなった立花の家は随分前にここを出て誰も知らないと思いますよ。それにしても最近は金塊狙いで来る人も多くびっくりです。」
そう言って主人は奥へ引っ込んだ。
サクラ「金塊狙いね・・.私達もそう思われたかしら」
藤井「この山の何処かに隠された金塊が有るとしたら探しきれないね、山だらけだからね。あの手帳の中の数字の中に何かヒントが有るのだろうか」
サクラ「そうね」
蕎麦屋を出て車に乗り坂道を登ると公園の名残りのような所へ出てなんと無く車を止めて降りる事になった。見晴らし、景色がとても良い場所である。二人はもっとよく見えそうな場所へ移動するとそこのベンチに一人のお年寄りの女性がぼんやりと景色を眺めていた。この土地の人のようである。
藤井は「こんにちは、素晴らしい景色ですねと声をかけた」
ここから話が大きく展開するとは知らずに・・・
赤い手帳 ショーンティン @ikutanka26
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。赤い手帳の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます