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刺青の男が雪女に殺され、連ニが大人になり、彼みたいな大人になり、めぐりめぐって、自分に返ってきちゃったんですね。
あの場面での『はなさないで』の違和感が、最後の最後に腑に落ちました。
そういう意味の、はなさないでだったのか、と。
てっきり手を『はなさないで』とか、私を『はなさないで』かと思ってました(>ω<)
勝手に騙されてしまいました(笑)
こういうお話、すごく好きです♪
作者からの返信
自分のされてきたことを
なぞるように繰り返す負の連鎖。
断ち切ったのは幻影のような女でした。
KACお題の【はなさないで】が
平仮名だったのは何故なのか。
他言無用の【話さないで】
人としての倫理を【放さないで】
私の差し伸べる手を【放さないで】
娘から父親を【離さないで】
はなさないでを重ね合わせました。
柚月さん、騙されてないです。鋭い…
厳しくも優しい雪女のお話、
気に入っていただけたなら嬉しいです。
瑞崎はるさん
瑞崎はるさんの作品だとは認識しないまま読んでいて、後でびっくりですよ汗
現代の家屋のベランダに無理のないかたちで雪女が現れていて、こういうところが巧いですよね。
愚かな母と面影を重ねるような女と連れ合いになった連二ですが、連れ子の娘に対して強く惹かれているのは、結局は「初恋の人」だったからでしょうか。
観音様のような夜叉のような、脳内に刻まれた女人のすがた。その眸に見詰められながら凍え死んでいくのは、連二とっては本望だったかもしれません。
こうして雪女は、何百年ものあいだ、同じように男たちの命を奪ってきているのでしょうね。
はなさないで。(話さないで)。はなさないで。(離さないで)。誰にも喋らなければあなたの傍にいられたのにと。
作者からの返信
どんなに信じたいと願っても
男に裏切られる女。
雪女の宿命というか何というか。
観音様、雪女、連れ子の娘。
魅入られたら逃れられない。
命を奪うことでしか救えない。
そんな切なさ、もどかしさまで
読み取っていただき感謝です。
きっと男は話してしまうんだろな、と思ったら、相手がよりにもよって娘の姿を借りた(?)雪女本人だったとは……
刺青の観音と雪女の関連性について、読者の判断に委ねるところも、ミステリアスでいいですね。
まさに正統派のホラーだと思います。
うまい!負けました!
作者からの返信
ベランダに現れた真っ白な雪女。
気に入っていただけて嬉しいです。
雪女が怪談なのでホラーにしましたが
ホラー書いてる感覚じゃなかったです。
気持ち的には現代ドラマ…?
刺青の観音様と雪女が
何故だか艶めかしく思えて、
重ね合わせてしまい…
私の感覚が変なんじゃないかとも
思ったのですが、
共感してもらえたなら良かったです。
お読みいただきありがとうございます。
雪女の冷たくも艶やかな台詞に、冒頭から惹き込まれました。
このお話、すごく好きです!
虐待から彼を救った雪女の観音様が、また次の虐待から少女を救う……という、もの悲しいけれども、そのお陰で一つの美しさが生まれ出でたような、人間の業の裏表というものをよく感じさせてくれるお話だと思いました。
初恋の人に会えて、結局連二も最後に幸せだったし、今頃は本当に眷属になっているかもしれない。
自然の無情と恵みとを感じさせてくれるお話でもありました。
作者からの返信
雪女の昔話の美しさと怖さは
大好きなんですけど、
私的には腑に落ちない
不条理なお話でした。
因果応報を現代的に混ぜると
ヤクザが登場…何故だ!?
人間って、愚かで哀れな存在。
生きている間は
業を抱えて、もがき苦しむことから
逃れられないのかもしれない。
だから、人智を超えた存在に
救いを求めるのかな、と。
好きと言ってもらえて光栄です。
こよみさん、ありがとうございます。
眠っていたはずの女の子がじっと見つめてくるシーン、ゾワッとしました.....!
幻想的で没入感のあるホラーでした。
背中の御姿が、理解しがたいもの、手の届かないものに惹かれてしまう人の心情を象徴しているように感じました。
ヤクザ男も彼女に魅了され、約束を破った1人だったのかな。
連ニは、なんでニなんだろう。
次男なのかな、と思っていたけれど、結末からすると、二の舞的な意味合いが込められてるんでしょうか......。
この名前からつららを連想して雪女が彼に慈悲を与えるきっかけになるのも秀逸です!
春さんの表現力は幅が広いなぁ......。
優しさ、面白さ、弱さ、愚かさ、青臭さ等々、様々な人間の側面を描く力、本当に凄いです!
なんだか慌ただしくてカクヨムできていない日々を過ごしていますが、また浸りに来ます^ ^ノ
作者からの返信
話のベースは昔話の雪女ですが、
妖怪以上にヤバそうな
魔性の観音様になってしまいました。
仏像って、厳かで神秘的ですが
不気味に思えます…
有り難くも恐ろしい気持ちを
汲んでいただき、嬉しいです。
ヤクザ男が観音様を背負う理由、
連二の名前についても
気にしていただけるとはっ!
考えてなかったけど、
気になってきました。笑
深く読みとっていただき、
作者冥利に尽きます。感謝です。
(青草作品もまた読ませて下さい)
ぞわぞわするお話でしたー!!雪女じゃなくて、人間達に…!!
悲しいストーリーだからこそ、慈雪観音の慈しみが感じられますね…。10年前と今。雪で凍らせたその結末は、どちらも連二にとって救いですよね。10年前の連二が悲しい…涙と思っていたら、10年後の連二が、連れ子に変な感情抱き始めて「ん?なんか…ヤバそう…」って不安に…。しかしそこで再び彼女が登場すると言う。最後までぞわぞわする展開で面白かったです!
ところで、つらつら、と連二。「おお、そういうことかー!!」と。素晴らしいネーミングセンスです。
作者からの返信
愛崎さん、ぞわぞわさせてすみません。
虐待やいじめって、立場を交換したり
連鎖することもあると聞きました…
人智を超えた存在が
断ち切ってくれたらいいな、と。
人間って弱いし、流されやすいから。
どうしても今生で助けられないのが
私の作品にありがちです…
ネーミングセンス…!
褒めていただき嬉しいです。
お読みいただきありがとうございます。
めっちゃ好きなお話でした!
騎龍観音、初めて知りました。
雪女の、人の理が通用しない存在な感じ、良きです。
連二さんが辛い境遇から抜け出せたのにはホッとしたのですが、歪な環境にいた影響か、そういうのがしっかり連鎖してしまいましたね。
「はなさないで」が話さないでにも、人間性を手放さないでにも聞こえました。
死を与えられることで、道を外れて生きずに済むのなら……それは慈しみとなり得るのか、なんて考えてしまいました。
作者からの返信
ややや…バレてる!
「はなさないで」が平仮名の理由が
ドンピシャですよ、きみどりさん!
雪女(観音)は慈愛でもって
連二を見守っていたにも関わらず
人の道を外れかけ、
約束を破ってしまった。
昔話でありがちな教訓モノを
詰め込んでしまいましたー
騎龍観音は私もググって知りました。
連連(つらつら)→つらら、も。笑
お好きと言ってもらえて光栄です。
おはようございますー
10歳のとき儚くも扇情的な観音様の刺青にこころ奪われて、既にどこか壊れていたってとこもあるのかな。雪女さん、眷属認定してずっと見てるの怖いよぉ、逃げられないですね、これは(・_・;
作者からの返信
すみません、矢口さーんっ!
暗くて怖いの読ませてしまいました…
おっしゃる通りです。
彼は刺青の男か観音様に
心を囚われた(憧れた)まま
生きていたのだと思います。
(↑恋愛感情じゃなさそうです)
観音様は虐待の連鎖を止めて、
優しい雪で彼を葬るという
イメージです。
怖い中にも救いがあればいいな、と
思いました。
ややこしい上に
いろいろ詰め込んじゃった…
お読みいただき、大感謝ですー
殺されるのが分かっているのに、それに対し「恵みの雪」と表現しているラストが良いですね。
愚かで、儚くて、悲しい。けれどそこには妖しさや美しさがある。
とても素敵な作品でした…!
しかし、虐待(?)って繰り返しちゃうんですね…(´;ω;`)
作者からの返信
善も悪も包み込む【恵みの雪】。
篠崎さんの心に引っ掛かったなら
とても嬉しいです。
虐待に限らず、良くないとわかってても
自分ではどうしようもないことって
あると思います。
自分だけが悪いんじゃない。
自分だってそうされてきた、のに。
もしも、変わることができるとしたら
大切な誰かと寄り添えているケースかな、
なんて。
この雪女は優しいようで残酷です。
チャンスを与えても寄り添うことはなく、
過ちを犯せば淘汰する。
でも、今生から解き放ったことは
連二にとっては良かったのか。
作者の私にもわからないです。
(篠崎さんの新作、待ってますよ!)