声劇台本「君はなぜ消えたのか」
星城ノア
第1話
登場人物 男3 女2
・長瀬 累(ながせ るい)18歳
…高校3年生。文武両道で学園中の女子の憧れの的。
里香の幼馴染で慶の弟。
・長瀬 慶(ながせ けい)23歳
…有名な料理人。塁の兄。
いつもは適当なのに料理のことになると真剣になる。
里香の両親となぜか仲良しで牧野家の引っ越しのことを知っていた。
・牧野 蓮(まきの れん)22歳
⋯大学院生。帰国子女。
妹の里香のことになると心配症になる。
里香の兄。
・牧野 里香(まきの りか)18歳
⋯高校3年生。帰国子女。
長い黒髪をポニーテールにしている。累の幼馴染で蓮の妹。
・紫藤 優香(しどう ゆうか)18歳
⋯ 高校3年生。累のことが好き。
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累
「僕には、幼馴染がいる。だけど、その子は突然僕の目の前から姿を消した。何も言わずに!あの日から僕は君のいない世界を生きている。ねえ、君は今どこにいて、何をしているの?どうして僕の前からいなくなったの?僕は君に伝えたいことがある!会いたいよ、里香。」(つぶやき)
慶 「累、起きろ!朝だぞ!」
累 「起きてるよ。」
慶 「だったら早くおりてこい!」
累 「今行くよ。」
累 「おはよう、慶兄さん。」
慶
「ああ、おはよう。今日は累の大好きなフレンチトーストを作ってみた。」
累 「やったー!フレンチトーストだ!」
慶 「はやく食べろ。学校に遅刻するぞ!」
累 「いただきます!やっぱりフレンチトーストは最高だよ!」
慶 「喋っていないで、はやく食べろ!」
累 「ごちそう様でした!行ってきます!」
慶 「おい!鞄(かばん)を忘れているぞ!」
累
「あっ!いけない、鞄(かばん)を忘れるところだった!行ってきます!」
慶 「行ってらっしゃい!気を付けて行けよ!」
優香「長瀬君、おはよう。」
累 「おはよう!紫藤さん。」
優香「今日はいい天気ね。」
累 「そうだね!」
優香「長瀬君、今日の放課後時間ある?」
累 「えっ?今日の放課後?時間あるけどそれがどうしたの?」
優香
「実は、長瀬君に伝えたいことがあって、放課後に体育館裏に来て欲しいの。」
累
「いいよ!放課後に体育館裏ね。あっ!もうこんな時間だ、教室に急がないと!紫藤さん、また後で!」
優香「うん!後でね。」
累
「体育館裏に来たはいいけど、まだ紫藤さん来ていないようだね。紫藤さんが僕に伝えたいことって何かな?」
優香「あっ!長瀬君、おまたせ!遅くなってごめんね!」
累
「紫藤さん、僕も来たばかりだから謝らなくていいよ!僕に伝えたいことって何?」
優香
「実は私、ずっと長瀬君のことが好きだったの。私と付き合ってください!」
累
「……………こんな僕のことを好きになってくれてありがとう!その気持ちは嬉しいよ!だけどごめんね、僕には好きな人がいるんだ!だから紫藤さんと付き合うことは出来ない!」
優香
「そっか!やっぱり好きな人がいたんだね!振られたけど、気持ちを伝えることが出来て良かった!今日は来てくれてありがとう!」
累
「ほんとにごめんね!紫藤さんなら僕なんかよりもいい人が見つかるよ!」
優香「きっと、長瀬君よりもいい人なんていないよ。」(つぶやき)
蓮
「長瀬さんお久しぶりです。この度、日本に帰ってきました。またよろしくおねがいします。」
慶
「お久しぶりですね、牧野さん。こちらこそまたよろしくおねがいします。里香ちゃん、また累と仲良くしてあげてね。」
里香「はい!もちろんです。」
累
「んっ?新しく引っ越してきた人かな。僕も挨拶しておこう!って、えっ?里香?でもそんなはずがない。里香がここにいるはずがない。きっと疲れていて幻覚をみているんだ!そうに決まってる。」
慶
「累、おかえり!ちょうど良かった!里香ちゃんが外国から帰ってきたよ!」
累 「えっ?慶兄さん、今何て言った?」
慶 「えっ!だから里香ちゃんが外国から帰ってきたって。」
累 「え!里香、外国に行っていたの?なんで?」
慶 「もしかして、知らなかった?」
累
「うん、知らなかった。知っていたならなんで教えてくれなかったの?」
慶
「えっ!里香ちゃんから聞いていると思っていたから、あえて俺から言わなくてもいいかなと思ったんだよ!」
累 「聞いていないよ!」
里香「累君、ごめんね!どうしても言い出せなくて。」
累 「いいよ!僕は里香にまた会えただけで嬉しいから。」
里香
「累君、ありがとう!私も累君にまた会えて嬉しいよ。またよろしくね!」
累 「こちらこそよろしく!」
累
「僕は再び里香に会うことが出来た。これから里香と僕は再び幼馴染として、未来を歩いていくだろう。僕のこの想いは永遠に心の奥深くにしまっておこう。」
里香
「私は再び累君に会うことが出来た。これから私たちは幼馴染として未来を歩いていく。」
声劇台本「君はなぜ消えたのか」 星城ノア @noahhoshi
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