140作品を読んだ感想と、キャラクターの造形(最後に告知アリ)


 皆さま、日々の執筆活動に加え、学業や仕事などお疲れ様です。

 最近は色々なコンテストの中間選考の結果が発表されたりカクヨムコンテスト10が近づいてきたりで、にわかに活気づいてきたなと感じる所です。



 さて、まず今回の★3作品『地獄のエリア810(ハチヒトマル)~ 魔法王国の少女と機械帝国の少年兵』について語りたいと思います。


 本作の見所は何といっても「第3話でのどんでん返し」ですね。まず、ここまでを読まないと本作は語れません。(ほとんど語らずに批評しましたが)

 批評後、作者の素通り寺(ストーリーテラー)旧三流F職人さまが「激辛批評を受けて、810のあらすじにネタバレ加筆をしました」と仰って下さいました。


 ということなので、ネタバレありでの感想とさせて頂きます。


 いや、ビックリしましたね。重厚な、戦場での「ロミオとジュリエット」みたいな話だと思ったら、実は機械帝国の男たちと魔法王国の女たちで合コンをしてるなんて誰が思いますかっ⁉

 いきなりのラブコメ展開に、開いた口が塞がりませんでしたよっ。

 この急展開ぶりは「まど〇ギ」を観た時と同じくらいの衝撃でしたね。


 また素通り寺(ストーリーテラー)旧三流F職人さまは、別企画の『ノベルチキンレース』にも参加して下さっており、そちらでは『にんげんホイホイ』という作品での参加です。


『にんげんホイホイ』

URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330661188819829


 2作品を読んでの感想ですが、素通り寺(ストーリーテラー)旧三流F職人さまは自分の作品の「面白さ」をしっかり理解しておられて、それを上手く表現する事に余念がありません。


 本批評の最初の方、『10作品を読んだ感想』で私は「自分の考えた物語は絶対に面白い。でも、自分の書いた作品が面白いとは自信を持てない。それは、きっと皆さんも同じだろう」というような事を書きました。

 素通り寺(ストーリーテラー)旧三流F職人さまは、「自分の考えた物語の面白さを、しっかりと作品で読者に伝えている」のです。

 だからこそ、私は★3という評価をいたしました。


 「面白さ」の方向性がハッキリしている以上、きっと読者の「合う、合わない」もハッキリしているのだと思います。

 ですが、これこそが「刺さる人には刺さる作品」なのだと思いますね。




 では次に、今回のタイトルに書いた「キャラクターの造形」について語らせて頂こうと思います。


 実は今回批評させて頂いた10作品の作者さまの御1人が、ご自身のエッセイで私の書いた批評内容について取り上げて下さいました。

 その中で「筆者様(三鞘ボルコム)の仰られる『キャラクターの造形』とは、どのようなものを指していらっしゃるのかが分かりませんでした」との疑問が書かれておりました。

 風雅ありす@鬼姫連載中。さま、ご指摘ありがとうございます。


 本批評に関する記事なのでURLを掲載させて頂きます。


『創作徒然』

『第8話 『宇宙樹の生贄』の批評に対する解釈』

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818023212539919349/episodes/16818093086622287967


 1万文字近い文章量で本批評に対しての感想を綴られておりますので、興味がありましたらご覧になってみてははいかがでしょうか。

※挑発的な表現などもありましたが、私は気にしておりません。

 応援コメントにも残しましたが、作品に対する姿勢や評価基準が違うだけです。

 くれぐれも攻撃的なコメントはお控えくださるよう、お願いします。



 さて話を戻しまして、確かに私は頻繁に「キャラの造形が掴めない」などと書いておりますね。

 いかようにも受け取れる言葉なので「分からない」と言われるのも仕方がありません。

 今回は、この点についての説明をさせて頂きたいと思います。


 まず、私の言う「キャラの造形」とは「キャラを形作る全ての要素」です。

 ……まだ曖昧で、何の事か分かりませんよね?

 細分化しますと、私は「特徴」「性格」「役割」の3つに分けて考えています。

 これらを詳しく説明をさせて頂きます。


・「特徴」

 ここで言う「特徴」とは、キャラの外見・能力・社会的立場などです。年齢や性別なんかもここに当てはまりますね。

 どの程度を描写するかは作者や作品によって違うと思いますが、ここが分からないとキャラの特徴が掴めずイメージができません。


・「性格」

 「性格」と書きましたが、ここでは「キャラが性格設定の通り、正しく自然な思考をしているか?」が重要になります。

 ここがいい加減だとキャラの行動に一貫性を感じる事ができず、共感や納得ができません。酷いと「操り人形」になってしまいます。


・「役割」

 ここは「作品内でのキャラの役割」です。「主人公」とか「ヒロイン」、「悪役」などの役割ですね。

 ここを正しく読者に伝える事ができないと、何の為に存在するキャラなのかが分からなくなり、酷いとストーリーそのものへの理解が出来なくなってしまいます。


 以上の3要素を総合して、私は「キャラの造形」と呼んでいます。


 個人的には、上記のどれもがキャラを表現する上で欠けてはならないと思っています。(もちろん、クドクドと説明し過ぎるものでもありませんが)

 これらのいずれかが著しく欠けている、もしくは全体的に表現が足りないと感じた場合に「キャラの造形が掴めない」と評しています。


 特に欠如していると感じる作品が多いのは「性格」ですね。

 あまりに酷いものは「操り人形」と言い切ってしまいますが、そこまで至らずとも「このキャラの性格が分からない」「なぜそう思ったのかが分からない」といった事は多くの作品で見られます。


 上記のエッセイでも書かれていましたが、稀に「人はそんな単純ではない」「複雑な心理を描こうとした」と言われる作者さまもいらっしゃいますが、本企画の範囲である5話という序盤で表現するべき事では無いと思います。(そこだけに焦点を当てた短編小説など、例外はありますが)

 読者はまだ「そのキャラがどんな性格なのか」を把握すらしていないのですから。(これは「読者の感性」といった問題ではありません)



 きっと今まで、風雅ありす@鬼姫連載中。さまと同様に「『キャラの造形』ってどういう意味だよ?」と疑問に感じておられた方もいらっしゃるかと思います。

 今まで説明を怠っていた事には、深くお詫び申し上げます。


 今回の説明でご理解は得られましたでしょうか?

 もし他にも「言っている意味が分からない」という事がございましたら、遠慮なくお尋ねください。

 簡単な内容でしたら返信でお答えしますし、今回のように解説が必要だと感じましたら『10作品ごとの感想』の時にでも説明させて頂きます。




 そしてタイトルの最後に書いた告知ですが……。

 現在、梶野カメムシさまが進行しておられる『じっくり読みこんだ本音感想を書く企画 2024』という自主企画に、私の作品『転福為禍のインヴォーカー』を参加させて頂いております。


 こちらの梶野カメムシさまの書かれる感想ですが、私の書く本批評とは全くスタイルが違うものの、その指摘の切れ味は私などより遥かに鋭いものとなっております。

(学生には「オブラートあり」の配慮などもありますが、梶野カメムシさまのオブラートは結構脆く、簡単に破れたり蒸発したりしますw)


 ですがそれもその筈、私の様な執筆歴2年未満の若輩とは違い、梶野カメムシさまは恐らく30年くらい小説を書いていらっしゃいます。

 私などとは、目の付け所、改善の出し方、言葉の重みが違いますね。


 日頃、皆様の作品を叩きまくっている私がボコボコにされるのを見てみたいという方は、どうぞご覧になって下さい。

 恐らく1週間後くらいに私の作品の感想を頂けると思います。


 もちろんボコボコにされないような作品作りをしているつもりではありますが、それは皆さんだって同じ筈ですよね。

 それを私は叩いてきたのですから、絶対の自信など持てよう筈がありません。


 こちらにURLを掲載させて頂きます。(もちろん許可は頂いております)


『カメムシの小説雑話★「じっくり感想企画」開催中』

URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330654869504941



 一応、まだ僅かながら参加枠が空いておりますが、いくつか注意をさせて頂きます。

※参加枠は定員に達しました。


 参加を考えておられる方は、企画内容を把握して(梶野カメムシさまの近況ノートに企画のURLがあります)、上記の作品URLからどのような感想を書かれるかを読んで、その上で「前向きに上昇志向を持つ」事を忘れないで下さい。


 梶野カメムシさまのスタイルは「作者との対話」を重視しておられるように感じます。決して「感想ありがとうございました」なんて、内容の無い感謝を述べて終わりにはしないで下さい。(反応ナシなんて、以ての外です)

 参加者とどのようなやり取りがされているかは、作品内にある『その後のやり取り』で分かるかと思います。


 そして、先ほども言った通り「私以上の切れ味」を覚悟して下さい。

 それに耐えられる自信が無い場合は、絶対に参加をなさらないで下さい。

 自分の感想や批評が原因で参加者が筆を折られるなど、絶対に梶野カメムシさまの本意では無い筈です。


 これらの事が約束できない場合は参加を見送って下さい。

 この企画は毎年されているようなので、きっと来年にまた機会はありますから。

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