141~150作品の批評

★1 🚪玄関あけたら2秒でダンジョン‼~体操服ヒロインと袋ラーメンでレベルUPを目指します‼~


タイトル:🚪玄関あけたら2秒でダンジョン‼~体操服ヒロインと袋ラーメンでレベルUPを目指します‼~

キャッチコピー:🍜異世界ダンジョンで、袋ラーメンが爆売れしすぎて困っています💦

作者:七生(なお)。

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818023213096877127


評価:★1


【あらすじ】

玄関あけたら外はダンジョン。PCには異世界への招待状。そして俺は『サラリーマン』ならぬ『シャーマン』として北欧系美少女と同棲することに。

ダンジョン内で食堂を始めてみたら袋ラーメンが大人気‼ ところがレベルUPで進化するのは部屋の方?! しかも、もらえるスキルも変なのばかり! 王都の政争に巻き込まれるし、この先一体どうなるの~?!

平凡なサラリーマンの袋ラーメン成り上がり一代記。これを読めば、あなたも袋ラーメンが食べたくなる?! 



【拝読したストーリーの流れ】

 普通のサラリーマンである主人公「佐藤」だったが、ある日の朝に出勤しようと部屋を出るとそこはダンジョンだった。


 水道や電気などのライフラインは使えるが、通信は繋がらない。

 だが、パソコンに1通のメールが届いている事に気付く。


 そこには『ようこそ、アースガリアへ!』という見出しと共に、「佐藤」の置かれた状況やルールが書かれていたのだった……、といったお話でしょうか。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルですが、まずメインタイトルはどこかで聞いたような文言ですね。検索してみると、いくつか似たようなタイトルがヒットしました。

 他サイトなども含めると更に多くの類似タイトルがあると思われますので独自性は低いと思いますね。


 第1話で「―――玄関あけたら夜だった」とありますので「2秒ではない」という点はありますが、些細な事だとは思います。

 ただ、いきなりタイトル回収をしてしまいますので「出オチ感」は強いですね。


 そしてサブタイトルは「説明文タイトル」ですね。

 細かい設定やストーリーなどは分かりませんが、なんとなく本作の方向性は見えそうな気がします。

 「体操服ヒロイン」「袋ラーメン」「レベルUP」辺りが、読者を引っかけるワードになりそうですね。



 続いてキャッチコピーですが、ここで完璧に作品のストーリーの方向性が見えますね。

 「異世界人に袋ラーメンを売って大儲け」という、これ以上ないくらい分かりやすいストーリーラインです。

 作品内容を読者に伝えるという意味では完璧ですね。



【キャラクターの批評】

 キャラクターですが、第5話の時点では主人公とドワーフ(?)が出てきますが、どちらもキャラの造形が上手く掴めませんでした。


 主人公ですが、まず第1話から引用します。

――――――――――――――――――

 部屋に広がるしょうゆ油の香り。俺はいつもの作法で袋ラーメンを食する。まずはスープに口を付けてから、麺をすするのだ。


 そしてこの美味さの理由は作り方にある。

 お湯に麺を入れた後はしばらく触らず我慢するのだ。2分ほどそのまま煮て、はじめて箸を入れる。もちろん調味料を入れるのは火を止めてから。同じ袋ラーメンでも正しい手順通り作ると、ここまで美味しいものになる。

 大抵の者はお湯にラーメンを入れるとあわただしくひっくり返したり箸を入れたりする。適当に作っている人が多くて、実に嘆かわしいかぎりである。

――――――――――――――――――

 まるで「違いの分かる男」のような雰囲気を出している描写ですが……。さほど手の込んだラーメンの作り方でもなく、少し滑稽に映ってしまいます。


 そして第3話では、思い切ってダンジョンへと足を踏み入れた主人公は戦士風の男の後姿を見て「その姿からするに、ゲームや小説に出てくるドワーフもしくはバーサーカーかも?!」と思います。

 ドワーフはともかく、バーサーカーと連想するのは違和感を覚えましたね。



 そしてドワーフの方ですが、主人公の事を唐突に「賢者」と言ったりしてきます。

 この世界における「賢者」がどのようなものかは分かりませんが、あまりに思考が飛んでいるように思えました。



 ひょっとすると、2人とも「天然ボケキャラ」という設定なのかも知れません。ですがツッコミ役がいない為、それが読者に伝わりません。

 そして「天然ボケキャラ」ではない場合は、キャラの表現・思考が不自然と思ってしまいますね。



【文章・構成の批評】

 文章は基本的にはキレイで読みやすい文章です。

 ですが【キャラクターの批評】でも書いた通り、少し思考が唐突で突飛に感じる部分が多々あります。

 そのような表現の度に「なぜそうなった?」と思ってしまいました。


 それとは別に、一番問題だと感じたのは「説明が下手」だという点です。

 第2話では、何者かに送られたメールで主人公の置かれた状況のルール説明が行われるのですが、全く要領を得ず、所々で説明不足が目立ちます。

 結局分かるのは「だいたいこういう事なのだろう」というような雰囲気だけです。

 かなり曖昧な事しか分からず、説明の意味を為していないと感じました。



 それでは構成に移りますが、「第2話の説明」が問題に感じました。

 説明に丸々1話が使われていますが上記の通り、説明が雰囲気でしか分かりません。「よく分からない説明を受けてたら、1話が終わってしまった」という印象でした。

 「よく分からない状態」でも、その後のストーリーの把握には問題は感じませんでしたが、その程度の内容なら1話丸々使う必要は無かったと思いますね。


 それ以外は大きな問題は無いと感じました。

 序盤は非常にゆっくりと物語が展開しますが、冒頭で「主人公がダンジョン内で食堂を営む」という「未来を先見せする」という手法が取られていますので、読者に「先の展開への不安」を与える事は無いと思います。(この手法については忌避される方もいらっしゃるようですが)


 そして展開はゆっくりですが、1話の文字数も少ない(約1800~2800文字)為、間延びする事もありません。

 1話ごとの終わりにも、オチやヒキを意識していらっしゃるように見えました。



【ストーリー・設定の批評】

 本作ではストーリーと設定を同時に批評いたします。


 少し前に流行った「異世界で食堂を経営する作品」ですね。『異〇界食堂』や『異世界居酒屋 〇ぶ』なんかが特に有名ですかね。

 ただ、この手の「グルメもの」というジャンルにおいて、本作は致命的な欠点があると思われます。それは本作で提供する食事が「袋ラーメン」だという事です。


 いくら創意工夫を凝らしても「袋ラーメン」という縛りの中では限界があるものと思われます。

 私はこの時点で「グルメものとしては期待できない」と感じてしまいました。


 では「グルメ」以外の部分はというと、一言で言って「テンプレ」ですね。

 少なくとも第5話までの時点ではどこかで見たのと同じような設定と展開の連続であり、新鮮味は全く感じませんでした。



【総評まとめ】

 総評ですが「出オチ感の強い、よくあるテンプレ作品の中の1つ」ですね。


 独自性として「袋ラーメン」がありますが、前述のように「面白さ」に繋がるとは思えません。ほとんど「出オチ」ではないかと感じました。

 キャラも言動や思考に共感できず、いまいち掴みどころがありません。

 説明もよく分からないので、大雑把な設定しか理解できませんでした。


 作者である七生(なお)。様には申し訳ありませんが、私個人としては「特に面白みは無い作品だ」と感じてしまいました。

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