★0 アホの子は闇深系魔法少女になってもアホでした
タイトル:アホの子は闇深系魔法少女になってもアホでした
キャッチコピー:闇深系魔法少女*アホの子転生*ハードボイルド*異能力バトル
作者:あじゃぴー
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093085294418461
評価:★0
【あらすじ】
ログライン:「異能力バトルもの」な世界の日本に転生したアホの子が、誘拐されて明らかにやばい研究所に売られた挙句身体いじられたら不思議な力が使えるようになったけど、結局アホの子だということは変わらなかった、というお話。
【本格的なあらすじ】
灰骨(はいぼね)パチルはアホの子である。
どれくらいアホの子かというと、ホットケーキを作ろうとして薄力粉をぶちまけ、そのままガスコンロに火をつけて粉塵爆発を起こしたぐらいのアホである。
そうして死んでしまったパチルだったが、運命のいたずらか、それとも酔狂な神のいたずらか、よくある「異能力バトル漫画」みたいな世界線の日本に生まれ変わってしまった。
しかし女神様にチートスキルをもらったとかはなく、そもそもパチルは無能力者である。
つまんないのと思っていたパチルだったが、5歳の時に誘拐され、売られたのは明らかに怪しい研究所。
さんざん体をいじくられた挙句、「精霊の源」を体内に埋め込まれ、「異常回復」「魔法鎖の生成」「疑似妖獣の召喚」といった本人でも説明がつかない不思議な能力を操れるようになってしまう。
しまいには死にかけの失敗作としてごみ捨て場に捨てられるが、すでにパチルは「人間」と呼べるような存在ではなかった。
異常的な回復能力で傷一つない体に戻ると、警察に駆け込もうとゴミ捨て場を出る。
だがゴミ捨て場の近くにいた「そこそこの裏組織の幹部」を名乗る青年に狙われ、裏路地でレイプされかける。
しかし相手が悪かった、パチルは反射的に青年を殺してしまう!
これでは警察に駆け込めないと逃げるが、すぐに疲れ倒れこんでしまう。
そんなパチルを助けたのは、暗殺や隠ぺい工作など「汚れ仕事」を受け持つ魔法事務所「マジカル・ユニバース」に所属する魔法少女・大峰エレナ(おおみね)だった!
パチルと恵令奈は「マジカル・ユニバース」所属の魔法少女として、日々汚れ仕事をやっていくが……?
【拝読したストーリーの流れ】
本作の作者であるあじゃぴー様は、以前に批評させて頂いた『あやかしチルドレン~就活生の俺は妖怪に子守の仕事を押し付けられました~』の作者、星城亜美さまと同じ方です。(改名されています)
また本作のエピソードタイトルのナンバリングは、ただ数字が振られているだけでしたが、本批評内では「第〇話」という風に呼称させて頂きます。
それと申し訳ありませんが、本作の【拝読したストーリーの流れ】は箇条書きとさせて頂きます。
・主人公「灰骨パチル」は、ホットケーキを作ろうとして粉塵爆発で死亡してしまう。
・生まれ変わった世界は「異能」と呼ばれる超能力がある世界だった。
・「パチル」は4、5歳くらいの頃に誘拐され、マフィアに売られる。
・その後「ラボラトリー」という研究所に連れて行かれ、モルモットになる。
・実験の結果、「異常再生」や「精霊」との同化(?)などの能力を得る。
・しかし能力を隠し、重傷のフリをしてゴミ捨て場に廃棄される。
・自由になった「パチル」が歩いていると悪い男が現れ、うっかり殺してしまう。
・お腹が空いたのでスーパーで余りものを貰おうとして、高校生の少女「大峰エレナ」と出会う。
・「エレナ」におにぎりを恵んで貰い、病院に行こうとした時、妖獣が現れる。
・実は魔法少女だった「エレナ」は変身して戦うも、格上の妖獣相手にピンチに。
・「パチル」も魔法少女に変身して、妖獣を倒す。
……と、こんな感じですかね。
【タイトル・キャッチコピーの批評】
タイトルは非常にユニークですね。
web小説では「おっさん」「ニート」「無能」など、ネガティブな単語が流行りますので「アホ」も同様に「キャッチ」の力が強いと思います。
「闇深系魔法少女」が少し意味が分かりづらく、漢字が続くので読みにくいとは感じましたが、基本的にはとても良いタイトルだと思いますね。
対してキャッチコピーですが、前作でも同じ事を申し上げましたが「ただジャンルやキーワードを書き並べたものは良くない」と感じます。
ただ作者さまの作品を見てみますと全てこのスタイルで行っていらっしゃるので、ポリシーを持って行っていらっしゃるようです。
ならば、私からのこれ以上の口出しは無用ですね。
【キャラクターの批評】
キャラクターですが、主人公はタイトルの通り紛う事なき「アホの子」です。
ですが問題は「登場人物が全員アホ」だという事です。
正確に言うと、主人公も含めて「アホ」とは少し違う気もします。
ただ「言動が唐突」で、「脈絡が無く」、「考え無し」で、「行き当たりばったり」なだけです。……まぁ、「アホ」と言えなくもありませんね。
この場合問題なのは、主人公の「アホ」というアイデンティティが完全に埋もれてしまっている事です。
主人公に「アホ」という特性を持たせたのなら、他の登場人物は「アホ」ではいけません。主人公が目立たなくなってしまいます。
そもそもマトモなキャラが1人もいませんので、物語の進行そのものが破綻しています。(ここについては、後に語ります)
【文章・構成の批評】
文章自体は、前作と同じくギリギリ読めるレベルです。
前回指摘していなかった点としては必要な説明をせずに次の話に飛ぶ為に、全く話が理解できない事ですね。
正直、読者に物語を理解させる事を放棄しているとしか思えませんでした。
ただ、魔法のネーミングセンスは良かったですね。
続いて構成ですが……。【拝読したストーリーの流れ】で箇条書きにした通り、状況や展開がコロコロ変わり、物語の筋が読めません。
特に第1話の詰め込みが酷く、「ゴミ捨て場に廃棄される」までが1話に収まっています。
【キャラクターの批評】でも述べた通り、マトモなキャラは1人もいませんので、彼らの常識・思考・目的などを知る事も困難です。
正直、世界観すら分かりませんでした。
ここまでストーリーと世界観の分からない作品は滅多にありません。
【ストーリー・設定の批評】
ストーリーですが……。先に述べた通り、全く分かりません。
ストーリーの流れというよりも、「作者がどんな物語を読者に見せたいのか」が全く分かりませんでした。
タイトルや転生前の死亡原因から「コメディか?」と思えばそうではありません。
実験体や、それに伴う「異常回復」といった設定から「SFか?」と思えば全然違います。
貧民街やマフィアなどが出てきてアウトローな世界観かと思えば、今度はスーパーで女子高生との遭遇です。
と思えば、唐突に妖獣が襲ってきて魔法少女です。
……全く意味が分かりません。
設定も同じですね。
様々な設定が羅列されますが、ほとんどは説明がなく、説明されてもよく分からない内容ばかりでした。
先に述べた通り、この作品の世界観がどのようなものなのかが私には全く分かりませんでした。
【総評まとめ】
この作品を一言で言い表すなら「闇鍋」ですね。
とにかく鍋(作品)に、適当な食材(設定)を詰め込んだだけの作品です。味を調える事(ストーリーと設定の擦り合わせなど)は一切行われておりません。
この作品と比べたなら、まだ前作の方がマシですね。
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