★0 アメリカ北部のJCが、イケメン探ししてたら南北戦争に巻き込まれた!
タイトル:アメリカ北部のJCが、イケメン探ししてたら南北戦争に巻き込まれた!
キャッチコピー:アメリカ北部メリーランド州の女子中学生が、南北戦争に巻き込まれます
作者:蜂蜜の里
URL:https://kakuyomu.jp/works/16816927861851827000
評価:★0
【あらすじ】
【拝読したストーリーの流れ】
まず【あらすじ】が空白ですがミスではありません。
本作には「作品解説」のような文面だけで「あらすじ」と呼べる文章はありませんでした。
また本作のエピソードタイトルにはナンバリングがされておりませんでしたが、本批評内では1話目を「第1話」という風に呼称させて頂きます。
更に、本作の最初のエピソードは「アメリカの南北戦争が舞台」だという事が書かれた400文字ほどの内容でした。(これが「あらすじ」に該当するかもしれません)
ですので、こちらも含めた6話を拝読して批評いたします。(こちらは本批評内では、仮に「第0話」とさせて頂きます)
最後にですが、本作のジャンルは「歴史・時代・伝奇」です。
ですが作者さまより「対象外ですが、それでもお願いします」との言葉を頂き、私も了承いたしましたので普通に批評させて頂きます。
時は19世紀。アメリカの大地では、今まさに「南北戦争」が起きようとしていた。
そんなキナ臭い空気を感じる事も無い14歳の主人公「アニー・ウェブスター」は、軍人の父や姉と共に出席するパーティーに心を躍らせていた。
そのパーティーで、父が連邦軍最高司令官に就任する事が宣言される。
未だに戦争への実感の湧かない「アニー」だったが、確実に戦火は迫って来ていたのだった……、といったお話でしょうか。
【タイトル・キャッチコピーの批評】
タイトルなんですが……、誤認しやすいタイトルだな、と感じてしまいました。
私はタイトルを見て「現代日本の女子中学生が、南北戦争時代のアメリカにタイムスリップする話」かと思ってしまいました。
(改めて見るとそのような文言は無いのですが……)
このように勘違いした大きな理由は「JC」という単語ですね。
もし同じように勘違いした読者がいたら、その多くは離脱するのではないかと思います。
また、「イケメン探し」と「南北戦争に巻き込まれた!」はギャップがあって良いのですが、こちらも若干内容との齟齬を感じました。
本作は恐らく、歴史考察などもしっかりされた作品だと見受けます。その為、本作は「リアル路線のシリアスな作品」だと思われます。
ですが、「イケメン探ししてたら南北戦争に巻き込まれた!」では完全に「コメディ作品」のタイトルですね。
次にキャッチコピーですが、タイトルと同じ内容を言葉を変えて言っただけですね。
「メリーランド州の女子中学生」という言葉が、先ほど言った「日本の女子中学生がタイムスリップ」といった勘違いを正す可能性もありますが……。確実に正せるとは限らないと思いますね。
また「巻き込まれます」という説明口調のような言葉は盛り上がりに欠けると思います。
もっと、読むと作品への期待感を抱くような言葉を選んだ方が良いと思いますね。
タイトルは「作品の正しい情報」を読者に伝える事が出来ていないと感じます。
コピーは「新しい情報」が何もありません。
両方とも、良い名付けとは思えませんでした。
【キャラクターの批評】
キャラなんですが、「登場人物が多く」「個性が薄い」と感じました。
どちらも「リアル路線」による弊害だと思います。
また、本作のキャラは総じて「落ち着きが無い」と感じました。
分かりやすい例を挙げさせて頂きます。
これは主人公の姉の友人がパーティーで放った、初登場時の事実上最初のセリフです。
「カミラ、今日は一段と美しいわね。アニーも、すっかり大人のレディになって、なんて綺麗なの。そちらの男性はどなた?」
姉を褒め、主人公を褒め、初対面の男性の紹介を求める。
短いセリフで向かう視点がコロコロ変わっております。
読み始めた時は主人公から描かれますので、主人公が落ち着きが無いのだと思っておりました。14、5歳という年齢設定から、違和感を感じなかったからです。
ですが読み進めてみると、「登場人物は全員」落ち着きがありません。
これは地の文や構成にも表れておりますので、作者さまのクセなのだと思います。
【文章・構成の批評】
文章は、非常に読み難かったですね。
文章そのものが問題ではなく、「読点が異常に多い」事と、先ほど申し上げた「落ち着きのない文体」。そして「一人称か三人称か、よく分からない地の文」が原因です。
まず「読点が異常に多い」という事ですが、本作は本当に読点が多いです。切る事の出来る文の間には、ほとんど読点が入れられていると思う程です。
読み手のリズムを阻害しますので、思い切って減らした方が良いと思います。
「落ち着きのない文体」ですが、【キャラクターの批評】で申し上げたような事例が地の文でも起きています。視点の向かう先が頻繁に変わって、「何を見せたいのか」が分かりません。
「ここは何を見せるシーンなのか」「ここでは何を説明するのか」などを意識して、それを見せ終えてから次に移る、とした方が良いと思います。
「何を見せたいのか」が分からないシーンを見せられると、ストーリーの理解が困難になります。
そして「一人称か三人称か、よく分からない地の文」は言葉の通りです。
本作の地の文は、「一人称と三人称が混在」しています。しかも、そこに明確な区別がありません。
「落ち着きのない文体」と相まって、非常に読み難かったですね。
次に構成に移りますが、こちらも良くない点があります。
まずは「冒頭では主人公の立ち位置がハッキリせず、ただの傍観者となっている」事です。
第1話と第2話ではパーティーの話となりますが、そこでは「戦争になりそうな情勢を、姉や大人たちが話しているのを見ている」だけです。
次に「次話へのヒキが弱すぎる」という事です。
エピソードの終わりが「次を期待させる」終わり方になっていません。これでは中々「続きを読みたい」と思っては貰えないと思います。
最後に、「話が動き出すのが第3話から」という事です。
先ほど申し上げたように、第1話と第2話はパーティーの話です。アメリカの情勢やキャラを説明しただけで、何も話が動いていません。しかも主人公は「傍観者」です。
これではせっかく読みに来てくれた読者も、すぐに離脱する可能性が高いと思います。
【ストーリー・設定の批評】
ストーリーと設定なんですが……、こちらも方向性が見えませんでした。
これも先に申し上げた通り、本作は「リアル路線」の話だと思います。ですが本作のタグには「後半は歴史改変」とありました。
登場人物もモデルはいるようですが、基本的にはオリジナルのようです。
たぶん、魔法や超能力なんてものは出てこないと思います。
私には、「本作が何を目指している作品なのか」が分かりませんでした。
この設定で「女子中学生の主人公」が、「どのようにして戦争に関わるのか」「どう活躍させるのか」「何を見せてくれるのか」が予想がつきません。
これは良い意味でも悪い意味でも無く、本当に判断がつかないという事です。
もしかすると、とんでもない大作になるかも知れませんし、ただの駄作に終わるかも知れません。
ただ私には、この設定とストーリーで物語を面白くさせる流れが見えませんでした。
【総評まとめ】
「アメリカの南北戦争」を舞台にした作品は希少ですので、そういった意味では本作には価値があると思います。
歴史考証などもしっかりされているように感じますし、いくつかの用語には注釈が入っているのも親切で好感が持てます。
ですがハッキリ申し上げますと、本作は「全てにおいて、向いている方向性の見えない作品」だと感じました。
「どんな読者に読んで貰いたいのか」「何を見せたいのか」「物語の中で、主人公はどのような役割を持つのか」
この辺りを明確にした方が良いかと思います。
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