★0 人生難有り


タイトル:人生難有り

キャッチコピー:これで、さようならだ。今、人生の回想列車の警笛がなる。

作者:泉

URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330667890913247


評価:★0


【あらすじ】

 初老の男が訪れたのは、見知らぬ駅。

 上りに乗るのか、下りに乗るのかは分からない。ただ、分かっていることは死を待つということ。生き方を回想し自問する男の、最期の答えを見つける物語。



【拝読したストーリーの流れ】

 最初にお詫びさせて頂きます。

 本作は1話完結の短編なのですが、ほぼ全文にわたって詩的な文章で構成されております。ジャンルは【現代ドラマ】で登録されていますが、タグに「純文学」とあり、私には難解でした。

 その為、私には正しくこの作品を評価する事は不可能だと思いますので、本批評は「純文学」を理解できない者の「たわごと」だと思ってください。



 駅のホームで、自分の人生を後悔する老人の元へ、不思議な少女が現れて老人を慰める。そして老人は満足気に天へと旅立つのだった……、という流れのお話です。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルですが、web小説的には恐らく興味を惹かれるタイトルでは無いと思います。

 ただ「文学作品らしいタイトル」だとは思います。



 キャッチコピーですが、こちらは良い雰囲気ですね。

 人生の終末を感じさせる文章に、「回想列車」という言葉から「どんな人生を歩んだのだろう?」という疑問と興味が湧くと思います。

(残念ながら、具体的な人生は語られませんが)



【キャラクターの批評】

 キャラクターについては何とも思いません。

 人生を後悔する老人と、天の使いの様な少女が「舞台装置」として現れただけにしか感じませんでした。



【文章・構成の批評】

 私は「純文学」は元より、「詩」もよく分かりません。

 その為、この表現が良いものなのか、悪いものなのかの区別がつきませんでした。

 ただ、いくつか私にも気になる文面がありましたので指摘させて頂きます。


 まずは冒頭の文面ですが、文末を同音の母音で連続するのは読んだ時のリズムが良くないと感じました。

 分かり難いと思いますので作中の文章から引用させて頂きます。

——————————————————————————

 無表情で持ち出してみると、存外冷たいのに気づく。指先から体温が奪われる。プルタブに指をかけ飲み口を開けようとするが上手く爪がかからず苦戦してしまう。ようやくの思いで開けた口を唇に運び、なんとも形容し難い、ほのかに苦い匂いの液体を一息に流し込む。 

——————————————————————————

 「気づく」「奪われる」「苦戦してしまう」「流し込む」。すべて母音が「う」で終わっています。

 多少はしょうがない事もありますが、ここは変化を持たせた方が、読んだ時に心地よいリズムになるのではないかと思います。


 あとは冒頭の擬音「ギュッ、チャリンッ。ギュッ、チャリンッ。グッ。ピピッピー。ガロガロ、ガシャンッ」は、「ギュッ」と「グッ」は要らないのではないかと思いましたね。

 自動販売機でコーヒーを買う際の音なのですが、「手の動作の音」までも書いている事でリズムが悪く、更に擬音の意味を無意味に分かり難くさせているように感じました。


 最後に些細な事だとは思うのですが、「今が朝なのか、それとも夜なのかはとんと見当がつかないが、なんとなく「黄昏」という言葉が降りてくる」という文面に違和感を感じます。

 「黄昏」という事は夕方ですよね? 見当ついてるじゃないですか。



 構成については、申し訳ありませんが何も分かりません。

 私は「純文学」を一切読まないので、検索して調べてみたのですが「純文学は、大衆文学とは違い起承転結も曖昧な事が多い」などと書かれていました。

 これでは私が口を挟む事は出来ません。



【ストーリー・設定の批評】

 ストーリー・設定、共に非常に単純です。私が【拝読したストーリーの流れ】で書いた事が全てだと思います。

 ただ恐らく、単純な話を難しく表現するのが「純文学」なのだろうなと感じました。(見当違いな事を言ったのなら申し訳ございません)



【総評まとめ】

 作者さまには申し訳ありませんが、私にはこの作品を評価する事は不可能ですね。企画の応募段階で「純文学」を排除しなかった私の落ち度です。

 作者の泉さまには、重ねてお詫び申し上げます。

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