★0 冬の揚羽蝶
タイトル:冬の揚羽蝶
キャッチコピー:揚羽蝶になりたい二人
作者:犀川 よう
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818023212139733858
評価:★0
【あらすじ】
本作のあらすじは作者さまの要望により、削除させて頂きました。
【拝読したストーリーの流れ】
まず本作のジャンルですが、「現代ドラマ」でいいんですかね? どちらかといえば「詩・童話・その他」に分類されるような……。
とはいえ、「現代ドラマ」と書かれてありますし、ルール違反とも言い切れないので批評します。
ですが恥ずかしながら、私は芸術関係には全く理解が無く、本作を正当に評価出来る自信はございません。その為、批評はしますが参考にはならないと思われる事をお詫びします。
本作は1話完結の短編です。
「揚羽蝶になりたい」と言っていた「彼女」。そんな「彼女」と幼馴染で恋人の「僕」。
高校生の2人が、思い出の小学校の図書室で揚羽蝶になる……、というお話ですかね。
【タイトル・キャッチコピーの批評】
まずタイトルですが、個人的には嫌いではありません。
「冬」に「揚羽蝶」という矛盾した文を、短い言葉で表現した良いタイトルだと思います。
ただweb小説においては、全くインパクトの無い、凡庸なタイトルだと言わざるを得ません。もっと特徴が無いと、読者がこの作品を読んで下さる事は少ないでしょう。
キャッチコピーに関しても同様です。
このコピーで惹かれる読者は少ないでしょう。
【キャラクターの批評】
登場人物は基本的に「彼女」と「僕」の2人、固有名称はありません。
物語は「僕」視点で描かれ、その為描写の大半が「僕」の目線からになります。
その上でまず、物語を動かしているのは「彼女」です。
「彼女」が「揚羽蝶になりたい」と言い出し、それに「僕」が頷きます。
「彼女」が小説を書かなくなり、それを元気づけようと(?)「僕」が動きます。
ラストも「彼女」が動き、「僕」がついて行く、となっています。
まず、「彼女」はいわゆる「電波系」とか「不思議ちゃん」と呼ばれるタイプのキャラなのだろうなと思いました。
物語を動かしてはいますが、あくまで「僕」目線なので、その心情は不明です。
なぜ「揚羽蝶になりたい」と思ったのか、なぜ小説を書かなくなったのか、その理由は私には読み取れませんでした。
そして「僕」ですが、私は彼に好感を持てませんでした。
全て「彼女」に追従しており、主体性を感じません。「彼女」の心情なども語られますが、それも「僕」目線なので、それが本当に「彼女」の心情なのか分かりません。
私は途中まで、「僕」の認識と、現実との間に乖離があり、それを描いた作品なのでは? と考えました。
……ラストを見ると、どうやらそうでは無いようでしたが。
【文章・構成の批評】
まず文章ですが、普通にキレイな文章です。
しかし、改行や空行が少なく、文字がびっしり埋まって読みにくいです。これはページを開いてくれた読者さまを、一瞬でブラウザバックさせる要因だと思いますので修正した方が良いでしょう。
また、文章の何ヵ所かに違和感を感じました。
「高校最後の冬は、僕たちの進路を危ぶむかのように、見通しの立たない白い空の日が多かった。」とありましたが、これは何月頃の話なんでしょう?
私の認識が間違っているのかも知れませんが、冬(12~2月)なら、高校生の進路なんて大体決まってませんか? 決まってない人もいるでしょうが、そう言った方を基準に考えるのはおかしいと思います。
あとは、「魯迅の阿Q正伝」って有名なのでしょうか?
小説を読み書きするなら知ってて当然、と言われるのなら黙るしかありませんが、私はそのタイトルさえも知りませんでした。
それを「まるで阿Qのような存在」と言われても何の事か分かりませんよね?
私は批評を書く為に調べましたが、読者はそのような手間はしないでしょう。
作中の説明や描写は、なるべく誰でも知っている言葉で表現するべきだと思います。
構成については悪くないと思います。
現在から、問題のあった過去を思い出し、そしてまた現代へと戻って問題を解決する。
それが「問題」だったのか、「解決」したのかなどは置いておいて、話の流れはこのようなものだと思います。
【ストーリー・設定の批評】
ここは……、なんとも言えないですね。
先程も言った通り、私は芸術への理解がありませんから。
ただ、それでも「こうした方が良かったんじゃないかな」と思う事を書かせて頂ければ、ラストは2人が別れた方が良かったように思います。
読後感は悪くなると思いますが、その方が読者に「考えさせる」事が出来る作品になるのでは、と愚考します。
【総評まとめ】
総評ですか……。正直、この作品は良く分からないんですよね……。
「抑圧からの解放」をテーマにしているようにも見られるのですが、「抑圧」を感じているのは「彼女」であるかのような表現で、でもこの作品の主人公は「僕」なんですよね?
では「彼女」を手助けする話かと言えば、そうも見えない……。
だって「僕」は「彼女」に追従し、ただ「解放」の切っ掛けの場所に連れて行っただけなんですから。それも明確な根拠なく、何となくそう思ったという……。
この手の作品でテーマが見えないと、作中で「なぜこうなった」のかが理解できません。
読者が作品を読んで、テーマを理解し、始めて作品の流れに「これは必要な出来事(もしくは表現)だったんだ」と理解出来るものと思います。
と思えば、この作品、別の企画でお題に沿って書かれた作品だったのですね。それならテーマが見えないのも納得です。
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