第3話
気付くと、既に時計が10時を過ぎて外は真っ暗になってきた頃。
『俺そろそろ寝るわ、じゃあな』
突然、うどんがそう言って部屋を抜けた
『うどんが抜けるんだったら俺も抜けようかな。それじゃ、2人ともおやすみ』
そう言ってうどんと一心同体なさくらもちも部屋から抜けていった。
「…どうする?まだやる?」
『私も明日から学校があるので、もう寝ます』
「じゃあ私も寝ようかな。おやすみ、ヲタちゃん」
『おやすみなさい《ダイヤ》さん。また明日』
そしてヲタちゃんと私も部屋から抜けた。
耳に着けていたイヤホンを外し、部屋の電気を消してベッドに寝転がる。
「…結局去年と同じか」
私は、去年の最後にやった決闘から変わらず、ずっと同じ生活を繰り返していた。
今年は変わろうと思ってたのに、結局いつも通りに過ごしてしまっている
「あ、そういえばヲタちゃんってどこの高校なんだろ」
確かこの前、『今年から高校に通う』って言ってた気がするし、明日にでも聞いてみよっと。
そうして色々考えてる間に睡魔に耐えられなくなり、段々と意識が落ちていった
<> <> <> <> <> <>
翌日、比較的遅い時間に投稿した私は、隅にある自分の席に着席した。
教室に響く会話の喧騒を尻目に、今日やる授業の内容を思い返す。
(今日の1時間目は…えっと、闘学か、その後に理A、美術、魔法、あとは能力と…えっと数学か)
授業自体はそんなに難しくない、ちゃんと授業を聞いてれば点は取れる。
問題は、魔法学・能力学・戦闘学における実技だ。
実技の授業は、基本的に模擬戦形式であり、ペアを組んで1対1で闘う。
まぁ、何が問題かはその時に話そう
その時、突如として教室が静かになった。
何事かと思い、皆んなが向いている方を見ると、おそらく教師であろう女性が教壇に立っていた
「皆さん、おはようございます」
「「「おはようございます」」」
「えー、今日から授業が始まりますね。今年一年間、能力学の授業を担当させて頂く《斉藤 恵》です。よろしくお願いします」
斉藤 恵…ってどこかで聞いたことあるような
「「「お願いしまーす」」」
「早速ですが、まずは皆さんの実力を知るためにも、初日は模擬戦をしようと思います。全員、第二
…まじかぁー
<> <> <> <> <> <>
先生に言われた通りに来た第二運動場
「まずは全員、一列に並んで下さい」
お、当たりかな?
とりあえず流れに身を任せて列に並ぶと、大体真ん中くらいに収まった
「一番前の人から順に、私と模擬戦をしてもらいます」
…うーん、どっちだろ
(個人で実力を合わせてくれるなら当たり。手加減なしに個別で実力を測るだけならハズレかな?)
「先頭の人、前へ」
「はい」
呼ばれた生徒が前に出る
「一応手加減はするつもりですが、上手くできないかもしれないので最初の人は特に頑張ってください」
あー…最初の方に行っておけばよかったかも。
「始め__」
先生が言い切る前に生徒が素早く接近し、おそらく能力を使った、煙を発する拳を撃ち込む。
「……」
先生はそれを見ずに、片手だけを動かして止めた。
うわすご。去年の人もすごかったけど、やっぱりこの学園の教師は別格だわ。
「次の人」
先生は少しの間考える素振りをした後そう言って2人目を呼んだ。
「え?」
「必要なことは知れたのでもういいです。ああ、終わった人は好きな所に座ってください」
「あっ、ハイ」
そんな感じで、模擬戦は途中まで進んでいった
ーーーーーー
今とんでもないことが起きた。
「あ、危なかった…」
私の番も終わって最後の生徒
それまでの攻撃を全て難なく受け止めていた先生が、初めて生徒の攻撃を避けた。
「すみません!大丈夫でしたか!?」
その攻撃を繰り出した人が先生に駆け寄る。
「え、えぇ。大丈夫です」
そこには、まるで隕石が降って来たかの様に出来たクレーターが、激しく煙を吹いていた。
平凡な私と実力主義世界〜まるで物語みたいな学園生活 夜桜林檎 @1player
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。平凡な私と実力主義世界〜まるで物語みたいな学園生活の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます