はなさないで

川向こうのジェロ吉さん

第1話 はなさないはいくつある

良い加減に妹がささくれ立った手を離さないので俺は無理やりダンジョンの外に出る。

流石に怒って、妹とは話を話さない。

全くなんてSな妹に育ってしまったんだ。


ただ汗と、ささくれが無くなった手だが傷は残っている。

2人の先頭を歩いて家に向かっていると、不意に姉が手を握ってくる。

「危ない」

姉が俺を引っ張って、歩道に戻す。


押しボタンの信号を渡るところで、暴走したトラックが俺の前を通過して横転した。


危うく、ラノベの異世界転生する所(俺調べ)

「ありがとう姐さん、そして何もしない妹よお前にはガッカリだ!」


倒れたトラックは、馬を運搬するトラックだった。


裏の扉が開いて、馬が飛び出してくる。

倒れた運転席から、運転手が出てきて、馬を止めるが俺達に向かってくる。

捕まえた手綱は放さないでほしい、また俺達は元来た道を戻る。

迫ってくる馬達、俺の前には同着ハナ差無い状態の瞬間が訪れる。


俺の顔に両方の蹄が当たる瞬間、意識が無くなる。


やはりラノベの異世界転生かもしれない今日は!


目が覚めた時には知らない青空だった。

そして両方の手を姉と妹が握って離さ無い、俺は寝返りをしたいのに。


「ちょっと2人とも離してくれ、それにトイレにも行きたい、此処は何処なんだよ!」

俺の叫びは木霊する。


「まだ寝ぼけているの、アンタマンホールに落ちそうだから、私達で押さえて落ちない様にしてるのに」

「工事中のマンホールに落ちたから、慌てて腕を押さえたのに、なら離すよ!お兄ちゃんのバカ〜」

妹よ〜、手を離さないでくれ〜。


次の瞬間に目が覚める、本当に知らない天井だった。


「ここに来た者もう魂が体から離れる、どおする!」


俺は体から魂を離したく無い、絶対に!


なら放さない様に地上に戻りなさい。


俺は目が覚める。そこに見えるのは、ベットに縛られる俺。


「さあお兄ちゃん、もうハナサハイヨ、諦めなさい」

妹の親指と人差し指を和にして近づいてくる。

なんで前のお題をはなさないんだ!












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はなさないで 川向こうのジェロ吉さん @fin77

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