好き好き大好き
晴れ。
ボクの大好きな
今日も気持ちよい目覚め。
ほかほか。
ぬくぬく。
気持ちのいい布団。
暖かい部屋。
ベッドから見つめる室内は
窓から差し込む光で
キラキラしている。
「おはよう」
起きたことに気づいた家族が
ボクの部屋の前まで来て
笑顔で声を掛けてくる。
ボクの朝は
いつも家族の声と
笑顔で始まる。
大好き。
おはようの挨拶をして
足早に
トイレに向かう。
その間にも
家族は
ボクの皿を持って
キッチンへと向かう。
その日は起きたら
おかあちゃんしかいなくて。
おとうちゃんは
毎日出掛けて行き、
夜にならないと帰ってこない。
ちょっぴり
寝過ごしてしまった。
寝る前に
おとうちゃんに
たくさん遊んでもらって
抱っこしてもらったまま
寝てしまったんだ。
いつベッドに戻ったんだろう。
覚えていないので
きっと
おとうちゃんが
寝かせてくれたんだな。
前にも
何度か
そんなことがあった。
いつもボクが寝る時のカッコで
寝かせて、
いつものような
布団のくるまり方で。
嬉しくて。
楽しくて。
暖かい。
幸せになると
ボクは
そのまま寝てしまう。
ほかほか。
ポカポカ。
うふふ。
キッチンから
トントンという音が
聞こえている。
おかあちゃんが
皿を持って来るまでに
キレイに毛繕いをしておく。
いつもキレイなボクを
見てもらうんだ。
そして今日も
すっごくオシャレ、と
褒められたい!
「もうちょっとだから
待っててねー」
毛繕いをしながら
部屋を見渡す。
今日もやっぱり部屋がキレイ。
カリカリも全部新しい。
朝イチのトイレも
ピカピカで気持ちがよかった。
ベッドも
いつもふかふかで
すっごく気持ちがよかった。
オシャレ完成。
ボクは
ケージの大きな扉の前で
背筋を伸ばして待つ。
「お待たせっ」
おかあちゃんが戻ってきた。
今日も
ボクの皿は山盛りだ。
大好きな
色んな種類の野菜とうどん。
少し ごはん。
初めて食べた時から
美味しくておいしくて
大好きな
おかあちゃんのごはん。
「いっぱい食べてね」
皿から手が離れる前に
おかあちゃんの手を、
指先を抱きしめる。
いっぱいチューをする。
抱きしめて、チュー。
たくさんのチュー。
チューする手と
反対の手で
おかあちゃんは
ボクをたくさん撫でてくれる。
ますますボクは
チューをする。
はなさないで。
はなしたくない。
毎日毎朝
ボクは おかあちゃんに
チューをする。
夜は
おとうちゃんと
たくさん遊んで
また
抱っこで寝落ちる。
ハムスターでよかった。
おとうちゃんと
おかあちゃんの仔になって
よかった。
うん、
大好き。
好き好き大好き 晴れ。 @Nirvana852
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