第2話 守護神フィリア
─────シモンおかえり〜ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・わ・た・し?
─────いたっ!
何となくムカついたのでデコピンをしておいた。
この恋人、もしくは妻づらしているヤツが不本意だが俺の守護神だ。
名前はフィリア。C級の人型守護神だ。
一般的に
最低クラスのF級なら戦闘力はほぼないと言っていい。
E〜D級、この辺りがボリュームゾーンとされていて一般兵のほとんどがこれだ。
C級以上になると一騎当千の力を持ち戦場を大きく左右すると言われている。
最上位のA級に至っては単体で国すら滅ぼせるらしい。
そう考えるとC級であるフィリアを守護神に持てたのは俺にとって幸運だったのかもしれない。
そう思い、彼女の方をチラリと見た。
─────あっ!今、私のこと見たでしょう!絶対見た!見た!!やっぱりシモンは私を求めてるんだ!さぁ、おいで〜慈愛の女神こと、フィリアがシモンを抱きしめて、あ・げ・る♪
─────ぃぃいいいッッッタ!!!
今度は少し強めにデコピンしてやった。こいつが暑苦しいのはいつもの事だ。他人の守護神たちは寡黙で威厳があってカッコイイのにどうしてフィリアは・・・と思わずにはいられない。
「俺を通して聞いていたと思うが3日後にここを出る。別れの挨拶があるならしておけ。」
するとフィリアは先程とは打って変わって真面目な表情になる。
─────わかった!・・・でもシモンあんまり無茶しないでね。護る私だって大変なんだからね!
「それは分からん。向こうの戦況次第だな。」
─────またそう言って・・・シモンのば〜か(小声)
フィリアは不満なことを隠しもしない声色でそう言った。最後の方は聞き取れなかったが。
まぁ、いくら感情豊かに見えてもこいつは俺の守護神だ。
守護神は人間に力を与えるが何も求めない。
だから守護神は守護対象の行動を制限したり決めたりすることはない。
それが守護対象に対する見返りを求めない無償の、無責任とも言える愛なのだから。
アガペー それは恋と呼べるだろうか? あまりゅう @amaryu
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