これは、生き方を問う物語

物語は、「纒足」という文化を中心に展開していく。
「良い物語は寓意性がある」というような記述をどこかで目にしたことがある。この物語も、纒足をさまざまな事柄に置き換えて読んでいくことが可能だ。我々は最初、作者が何を纏足に仮託しようとしているのか、探りながら読み進めるだろう。
しかし、いつしか我々は気付かされる。この物語は、特定の事柄に対する価値観を論点にした物語ではなく、人生そのものを問う物語なのだと。
読み進めるうち、いつしか物語は、作者自身が人生観、世界観を確立しようともがく様と重なり始める。
これは、単なるフェミニズムとか差別とかそういう次元を超えた、生き方を問う物語なのだと感じた。