エピローグ

 あの時のこと、後悔してるわけじゃない。

 でも愛してる女ができて、女嫌いがなくなったわけじゃないけど異性に対して余裕ができて。


 高校時代、アイツにしてきた自分の全てを思い返すことが多くなった。


「雄介くん? あの子のこと、思い出してる?」

「……ああ。健二の結婚式で見かけたから、な」

「可愛い子だったね。あんな子に酷いことするなんて、信じられないけど」


 そう言う彼女は人として真っ直ぐな人生を歩んできた。

 俺の昔の話を全部聞いて、その上で受け入れてくれた心の綺麗な女。

 曲がってて、捻くれていた自分にはもったいない人。でもその薬指には輝く指輪。


 アイツは俺のことを今でも想っているなんて思わない。健二の結婚式でプロポーズしたのを直接見たから。

 もし、まだ好きでいてもこれで諦めただろう。それに。


「あら。結婚式の招待状? この名前って……」

「アイツを幸せにできるのは、俺じゃなかったってことさ」


 連名して並ぶ名前にもう、あの頃のことを思い出すこと辞めることにした。


 夕暮美琴ゆうぐれみこと


 桜木より、似合うんじゃねーの。

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雨過天晴 田中ソラ @TanakaSora

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