第5話 歴代マイブーム

「ねぇねぇ。ソレ何してるの?」

「花火作ってる。」

一人の女が不老不死の男に話しかける。男は自身の屋敷の部屋で、花火を作っている。部屋には、さまざまな化学物質や機械、空の花火玉、乾燥中の花火玉や火薬などが置かれたり吊るされている。

「なんでソンナコトしとるん?」

「最近のマイブームでね。」

「ナカナカに豪快なマイブームだねぇ。ねぇ、今までどんなマイブームがあったの?」

「うーん…本とか、料理とか…工作とか…探検とか…科学とか…魔法とか」

「意外とフツウなんだね。一回やったら飽きちゃうの?」

「いいや何回もハマるよ。花火作りもこれで…2724目かな。」

「そんなに!?スゴイなぁ。ウチは他のことにハマることないなぁ。」

「ま、今ハマっているものを変えるのは難しいからね。でも新しい事に挑戦するのも悪い事じゃないよ。」

「ウーン…ナンカ他に面白いのないの?」

「うーん…滑空とか?」

「結構ヤバイこともしてるんだね。今まででイチバンヤバイの何?」

「うーん、だいぶやんちゃ、というか荒れてた?邪悪だった?頃は教科書の偉人全部自分にしようとかやってたな。」

「いうほどヤバイこと?」

「教科書に落書きとかじゃなくて、教科書に載るような偉人になってやろうって事。しかもあらゆる所で。」

「ソレはトンデモないね!でもやめちゃったの?」

「まあ、人間の文明を利用するっていうのもよくないし、やり直しが効かないからね。次周も長いし。」

「それは飽きるわ〜」

「やばいことやってるのに反応薄いね。」

「なーんか実感ナイのよね。」

「まあそうだよね。…何回も言うけど、趣味は色々あった方がいいよ。極めたいなら一つでいいけど」

「ソウだね。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不老不死の男 うよすけ @uyosuke

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ