第4話 文明は廻る

聳え立つビルの都市。鋼鉄の電波塔、広大な川の対岸をつなぐ橋。それはいつもの光景。

でも違う。それら全ては、今進行形で崩れ落ち、植物が生い茂り、動物の棲家となっている。

誰もいない、正確には、人のほぼいない世界で、自然の岩に、岩を背にして不老不死の男が座っている。

「今回はかなり静かだったな。グレートフィルター突破ならず…か。」

グレートフィルター。それは、文明者が進化する上での大きな障害。今回は、宇宙への進出だ。

「滅びる時は、核戦争みたいな大きな戦いがよく起こるけど、今回は純粋な衰退。文明が発達すると、現実で生きる“意思”を失う。空想とか仮想世界とかに逃げちゃう。」

「…話を変えて、文明が滅亡するのは悲しいことだけど、特別では無い。滅びは自然なことだ。」

「でも、人間ってのは、文明崩壊程度で終わるようなタマじゃない。何回も立ち上がってきた。グレートフィルターを突破したこともあるし、地球を出て行った者たちもいる。」

「人は逞しい。なんで折れても立ち直れる。」

「さて、次はどんな文明が発展するか、見守るとしますか。」





「(地球から出て行った人たち)たまには里帰りくらいしてくれないかぁ」

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