第17話

side黒野勇人

後ろに回り込んだので、斬りつけると、上手く切れた手応えがした。


「グアアッ」


悲鳴を上げた。あと少しのはずだ。一息つこうとすると、ドラゴンは覚悟を決めたような目で上を見上げていた。つられて見上げてみると、なんと、とてつもなくでかい火球が上空から迫っていた。

かなり距離か近い。どうすれば。

と考える時間すらも惜しい。とりあえず水魔法をかけまくってみるが、蒸発して意味をなさない。


「そうだ!これを宇宙へ送ればいいんだ。」


とりあえず、地球から3000キロくらい離れた場所に送れば大丈夫だろうか。

MPを振り絞って、回復薬をガバ飲みしながら転移ゲートを作ると、なんとかぎりぎり足りそうだ。

「いいぞ!そのままいけ!」

しかし、何かに引っかかったのか、途中で動きが止まって、炎が爆散した。


ドゴーーーーーーン




衝撃波で、ドラゴンのしたいと一緒にふっとばされ、他のメンバーたちは、吹っ飛んできた瓦礫に押しつぶされているのが、薄っすらと見えた。

このドラゴンは、とんでもないものを残して死んでいったな。







「見知らぬ天井だ。」

まさか、これを言う日がこようとは、露ほどにも思わなかった。ドラゴンと戦ったのが、11月26日、近くのデジタル時計には12月4日と表示されているから、8日ほど経っていることになる。年度も表示されているから、年単位の意識不明もなかったようだ。


「それにしても、よく生き残ったな。」

自分の身体を見てみると、ほとんど包帯で巻かれていた。おそらく、全身骨折だろう。

当日そうだったとしても、俺には無限再生がついているからそろそろ治っているはずだ。

恐る恐る体を動かしてみると、思っていた通りにスルスル動いた、しかし、それと同時に間違えてナースコールを押してしまい、怪我してるのに、勝手に動かないこと、そして、間違ってもナースコールを押さないようにと叱られて直ぐに退院できた。


近くのネカフェへよって最近のニュースを見てみると、やはり、ドラゴンのことが主で、死傷者数は合計1000万とかなり悲惨になっていた。


これに対する反応はというと、相手がドラゴンだったから仕方ない、や3年前からこうなるとは予想できない、よく被害をあれだけに抑えてくれた。などが多く、否定的な意見は皆無に等しかった。


あんな事があっても、たった1週間で一部の人以外は普通の生活が遅れている。

もう一度同じことが起きたとき、そのときに自分が生きていなかったら。

戦えるような状態じゃなかったら。この世界は存続できるのだろうか。

人々のこの生活は、俺や、ほんの数人によってかろうじて保たれているだけなのかもしれない。

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仲間に裏切られ、殺されたらドラゴンに転生したので世界滅ぼす。と思っていたら何故かバズってしまった。 @kesuuso

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