第43話 侵撃の魔物
巨大な魔物を倒して安堵する中、ふと考えるがドレークとエルジュ2人を相手にし、なかなかの善戦を成し遂げたこの魔物はかなり強い部類に入る。ましてや帝国軍を
ただ問題点もあり、大体上級木人はドレークが一番背が高く2mもある。それが今回呼び出すとなるとおよそ15mにはなるはずでヤドリギの許容範囲を越えないか心配である。
(今のドラゴンの身体なら魔物を、一旦別腹に栄養のまま保存できて、そこから新しく眷属として呼び出せるよ。フォレストドラゴンにはヤドリギ以上の性能が備わっているからね)
こちらの考えを読み取ってくれたようで、ポポからアドバイスが飛び込んでくる。人型だとヤドリギを経由しないと眷属を呼べなかったけど、今はその手間が無くなったと言うことになる。であるならば取り敢えずは、栄養を別腹として保存しておく。栄養を吸収した時の幸福感を感じられないのは少し寂しいが、栄養を貯めておけるなら臨機応変に使えるので有難い。
そして巨大な魔物に、触手のような蔓を伸ばし1分も経たずに栄養を吸い尽くしてしまう。ペラペラのミイラになってしまった魔物を捨て置き、聖樹国への
なんとか夜明け前には到着する事が出来たのだが、マガヤール要塞は見るも無惨に崩壊していた。ただ、その中で1つだけ気になる事があった。魔物は都市だったりを攻め落とし占領して行くのだが、このマガヤール要塞に関しては占領する事もなく破壊し尽くされていた。あの巨大な魔物は、普通の魔物と違って群れを作るでも無く、この時点で魔物の範疇を越えているように感じられた。
「あの巨大な魔物がこの要塞を、メチャクチャにしちゃったんですね。2体だけでこんなにもなるだなんて…」
「普通の魔物じゃないのは確かだね。いつもならここにわんさかと魔物がいるはずなのに、占領もしないでほったらかしたままだし」
エルフのネイシャの言葉に、相槌を打ちながら答えるがやはり今までの魔物とは異質なようだ。取り敢えず、マガヤール要塞には魔物がいない事を確認し終え、次はラスマータ王都に向かい、魔物がどうなっているかを確認しに行く。ヤエからの報告から推測すると恐らく陥落していると思うのだが、通り道に近いため少し様子見をしに行く。何事も情報は大事なため少しでも仕入れて、選択肢を増やしたい。
ラスマータ王都から、以前は馬車にて2日でラマガヤール要塞までまで着いたのだが、今回は逆になるのだが、皆体力があるため1日で踏破する事が出来た。しかし、ドラゴンが移動するだけで軽い地響きがなる為後半はゆっくりと歩き、出来るだけ気づかれない様にしたがあまりのデカさに簡単に補足される可能性が高いため、ラスマータ王都近辺では全身に草を生やしてカモフラージュをしてみる。
だがさすがにラスマータ王都近くではバレてしまうため待機し、眷属に偵察をお願いする。意外とカモフラージュ出来ているため、遠くから見ればばれないかもしれないが念の為刺激しない為にじっとしておく。
その後、ラスマータ王都に偵察に行った眷属達は1時間もしないうちに何か焦った様に急いで帰還する。
「ただいま戻りました。偵察にて信じ難い事が起きており、急いで戻る事になりました」
ドレークは、普段は冷静沈着なのだがこんなに慌てているのは珍しい。他の眷属であるエルジュやナギも何やらただ事ではない様子。そのまま、ドレークに続きを促すと驚愕の事実を知らされる。
「ラスマータ王都は、魔物達に占領されていたのですが…、占領していた魔物と巨大な魔物が戦っていたのです。我らが相手していた魔物よりやや小さいですが、2体おり王都内にて争いあっておりました。そのため一部の城壁や都市内は破壊された所もありました。少しそのまま監視していましたが、巨大な魔物が一体倒されると片方は逃げて行きました」
ドレークの報告に少し頭がこんがらがる。同じ魔物同士だと思っていたのだが、どうやら争いあっているため違いそうだ。そうなると次に挙がってくるのが魔族という線になるのだが、まだまだ不確定要素が多いため置いておく。ただ、魔物同士争いあっているのが確認できて良かった。ラスマータ王都が陥落していたのは予想はしていたが残念だ。
だが情報が増えたのは良かった、次にどうするか考えていると先程とは比べものにならない位の発言がドレークから聞かされる。
「今しがた聖樹国にいるアーバレスから緊急で連絡が入りました!正体不明の巨大な魔物3体が聖樹国に向けて東方面から接近中、これから防衛戦に入るとの事です」
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