第6話 昔の写真
「日彩、何見てるの?」
「ん〜……ちょっと写真見てる」
放課後私の家へ寄り、私と深冬は二人で部屋にいるわけなんだが…深冬は私と居るだけで満足なのか…さっきから私の傍から離れない。
「何の写真?」
「昔の私の写真かな」
写真整理も兼ねて中学の頃の写真、消そうか検討中で写真を漁ったり色々してたんだけど、深冬は見たいって感じの目をしてる。
「……見る?」
「見る」
スマホを手渡すと、私の写真を目を輝かせながら見ている、それもそのはず…昔は髪が伸びてるから今と違って少し新鮮なのかもしれない。
「これ…いつの写真なの?」
「ん〜……中学の頃かな」
「髪長い日彩も可愛い」
「そう?ありがとう?」
可愛いって言われるのは…嬉しいけど、少し複雑な気分だな…この頃は……確か、好きな先輩がいて…その影響で髪伸ばしてたし。
「何で髪切っちゃったの?」
「ん〜……何となくだよ…」
適当にはぐらかしたけど、深冬にはバレてるのか…すぐに少し怒ったような表情をしてきている。
すぐに私の腕を摘んで、結構痛いから辞めて欲しいんだけど…どうやら、私が理由を言うまで辞める気は無いらしい。
「はぐらかさないで、ちゃんと教えて」
「ごめんごめん…正直に言うから、許して?」
「……ちゃんと教えてくれるなら…許す」
やむおえず、理由を答えることにしたが…正直あんまり話したい事でも無いんだが…深冬は聞きたいらしいし…昔の事だし、別にいっか…。
「中学の頃、恋してた先輩がいて…それでその影響で髪伸ばしてたんだけど、まぁ…失恋しちゃったしそのまま切ったんだよ」
そう言うと、深冬は私に好きな人が居たなんて意外って感じの反応と同時に少し嫌そうな顔を浮かべてこちらを見てきている。
「日彩、好きな人…いたんだ」
「昔ね、今は特に好きな人も居ないよ」
そうは言ってあげたけど、まだ嫌そうな表情は消えそうになかったから、とりあえず深冬にキスをしてあげると少しだけ表情は和らいだ。
何でこんな反応を見せるのか…よくわからないけど、深冬はキスをすると喜ぶからとりあえず…しておいてあげた。
「深冬、私は取られたりしないから…安心して?」
「……なら、もっかいキスして」
「うん、気の済むまでしたげる」
友達が取られるのが嫌って気持ちはわかるし、一番距離の近い友達なら尚更嫌なのかもしれないし…何より…深冬にとって私は唯一だから取られたくないのかもしれない。
そう考えながら、私は深冬を安心させるために、しばらく深冬の気の済むまでキスをし続けた。
クラスの根暗美少女が私に友達の証としてキスをしてくるんだが?? 心晴 @koharu0105
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。クラスの根暗美少女が私に友達の証としてキスをしてくるんだが??の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます