第5話 サボり

何となく、サボりたい気分で教室を出た。

すると深冬が私と話したい?のか私を追いかけるように教室を出て私に話しかけてきた。


「日彩、どこ行くの?」

「んー…保健室かな。」

「日彩体調…悪いの?」

「ただのサボりだよ」


深冬は心配そうな感じだったからちゃんとサボりだと伝えておいた。


まぁ……六限目だし、少し頑張れば良いだけなのも事実なんだが…私は今、かなり眠いから授業してる場合では無い。


「なら…授業終わったら迎えに行く」

「ん、いいよ〜…多分寝てると思うから起こしてね?」

「ん、わかった」

「じゃあ…私行くから、また後でね」

「うん…また後で」


深冬と別れて、私は保健室に向かった。

保健室に行く確率は割と低めだから私は適当に理由を言っても特にサボりだとは気づかれないと思う。


「体調が悪いので、ベッド借ります…」


少し演技をしながら保健室の先生にそう伝え、私はベッドに横になった。

今頃クラスの皆は授業かーなんて、考えながら私は目を閉じ眠りについた。





とっくに授業は終わっている時間になっていたが私はぐっすりだったのか結構授業が終わって時間が経ってた。

目を開けると、深冬が椅子に座りながら私の髪を少しかき分けながら微笑んでる姿が目に入ってきた。


「……深冬、何してんの…」

「……可愛いなって。」


体を起こすと、寝癖が少し付いていてとうてい人に見せたいと思える状態では無かったけど深冬は私の寝癖を見てまた微笑んできて、少し恥ずかしい。


「…笑わないでよ」

「日彩が可愛いのがいけないんじゃない?」


深冬にこんな姿を見せるなんて…思ってなかったけど…深冬は私のだらしない姿を見れて少し嬉しそうだ。


「てか…見てたなら起こしてよ……」

「日彩が可愛くて…つい」


寝顔とか、色々見られたし…ほんと恥ずい〜…まぁ、深冬なら…まだマシかな、他の人とかだったら割とガチで死ねるけど。


「日彩、これ…日彩の荷物持ってきた」


そう言って、深冬はわざわざ私の荷物を持ってきて差し出してきた。


「別にそこまでしなくても良かったのに」

「日彩と一緒に帰りたかったから」


わざわざ持って来てくれなくても、一緒に帰ってあげたのに…まぁ、いっか…教室戻るのめんどいし…そのまま帰れるし。


「じゃあ…一緒に帰ろっか」


身体を起こして、深冬と二人並び歩き始めた。

その間ずっと私と深冬は手を繋いでたせいか、周りの人が結構見ていた。


それもそのはず…深冬が仲良く話してる所なんて…中々お目にかかれない光景だから、少し自慢げになりながら私は深冬を連れて帰った。

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