第5話  入団試験

「提案?」

ルカ「はい。現在この国の兵力は大規模な作戦で衰えている、それに二等級部隊を単独で倒せるものは少ない。私を軍にスカウトすれば、戦力の大幅な補強になると思いませんか?」

(確かにこの子の言う通り、今は猫の手も借りたい状況。ただこの子は信用していいのか?最近は敵国だけでなく、第三勢力が現れたなんて噂が立っている。この子がスパイなんてこともあり得る。これは俺1人で解決できるものじゃないな、団長に相談してみよう)

ルカ(私のこと怪しんでるな。うーむ、怪しんでることしかわからない。もっと観察力を上げないと)

ルカ「それで、どうでしょう?この提案悪くないと思いますが」

「わかった。君の提案は受け入れよう、ただすぐにとはいかない、そこは理解してくれ。あと、名乗っていなかったな。私はライン・ヘパイストス、君の名前は?」

ルカ(苗字がある。上級国民?珍しいな軍に所属しているなんて)


※黒の国には富裕層と貧困層がある。富裕層には貴族が多く、基本的に前線には出ず食事や娯楽を嗜んでいる。貧困層は基本的に前線に出て敵国と戦っている、これまでに戦死しているほとんどが貧困層の人間…と。なるほど、どんどん情報が手に入るな。やはりこいつはなかなか使えるな。


ルカ「ルカです」

ライン「よろしくルカ」

ルカ「よろしくお願いします、ラインさん」

ライン「ラインでいいよ、敬語もナシだ。堅苦しいのは苦手なんだ」

ルカ「わかったよ、ライン」

ライン「OKだルカ。これから軍の本拠地へ行く。まずは軍への登録をしないとな、ついてきな」


あれから宿で1泊した後私たちは王宮の右下辺り、黒の国に所属する軍 黒国防衛特殊機関(通称黒防)の本拠地、拠点ブラックダイアに来ている。


※国が有する拠点は計5つ。補給拠点オニキス、観測拠点ジェット、防衛拠点スピネル、研究拠点ヘマタイト、そして本拠地のブラックダイアがある。っとそろそろメモが欲しくなってきたな。


ライン「ここは訓練場だ、鍛錬や武器の整備、出陣前の準備もここで行う」

ライン「次は寮だ。ここは男女別々になっている。普段はここで生活することになるだろう、食堂の料理は絶品で国から表彰されたこともあるんだ」

ラインにいろいろと教えてもらった後、私は団長室へと案内された。


ライン「お連れしました、ブロンテー団長」

「遠路はるばるお越しいただき感謝する。私はセレン・ブロンテー、君のことは先に伝達で聞いている。立ち話もなんだ椅子に腰かけてくれ」

私は椅子に座った。目の前には私より胸が大きい高身長の女性が座っている

あの人Fぐらいあるんじゃないかな、羨ましい。

セレン(なんだ、物凄く視線を感じる。)

セレン「ルカといったな、軍は3つの団がある。1つは前線に出て戦う戦闘を行う黒曜騎士団、もう1つは能力や武器の研究・開発を行うシャーマナイト研究団

最後は国内を防衛するセレンディバイト防衛団。それぞれ入団するには試験がある。

団ごとに試験内容が違い、それぞれの分野に特化したものになっている。

どの団を受けたい?と聞いてやりたいところだが、お前は既に黒曜騎士団の試験を受けることが決まっている」

ルカ「え?」

セレン「さあ、訓練場に行くぞ。」


私はセレンさんに手を引かれ訓練場へと連れていかれ木刀を渡された


セレン「試験内容は簡単だ、私と戦って一本取れ」

ルカ「ライン。なんかアドバイスくれない?」

ライン「え?団長はこの国の中で1、2を争う実力者だ、油断するな」

ルカ(アドバイスでも何でもない)

団員A「どっちが勝つと思う?俺は団長に2万」団員C「俺も団長に2万」

団員B「俺は新入りに4万」ライン「何やってるんだお前ら」

3人「副団長!」ライン「ちなみに俺は新入りに10万」

セレン「はぁ、あの馬鹿どもは本当に。まぁいいやろうか」


お互いに木刀を構える。

ルカ(相手から視線を逸らさず、動きをしっかり見てから。って居ない!?)

セレン(こうも簡単に背後をとれるとはな)

  「ガンッ」

ルカ「はぁはぁはぁ」(なんとか間に合った)

セレン(驚いた、まさか防がれるとは。面白くなってきたじゃないか!!)

      

         腕時計は8時13分を指している

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白夜戦争 @Graige

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