あなたとわたし、紅茶色

@nekomochi_omochi

第1話



あくる日も


明くる日もわたくしは思うのです


いつかあなたがいなくなること

いつかあなたが消えること


考えてしまうのです

考えたくはないのに考えてしまうのです









そうしてわたしは

わたしを映す、あなたの硝子 がらすを思い出すのです


きらりと光る 紅茶の色をした硝子を









されとて、あなたはわたくしをどう想っているのでしょう



こころの内を認 したためめて

いつの日かの願いは叶ったのだと書きますか


それとも 慈愛に満ちた言葉を乗せて

抱えた不安は自分も背負うのだと慰めますか













あなたとわたし

わたしとあなた


紅茶色










いいこよ

いいこ


とってもいいこ






いつかあなたを貫いて

いつかわたしを抉るもの


そういう言葉たちだとしても 紡がずにはいられない



言葉をひとつ ひとつ並べあげ

一旦解いて 結び直して

そうして、ゆるりと出来上がるもの














あなたにあげる贈り物

あなただけのために。












いつか冗談を言い合えるような

やっと小突くことができるような



友人のようでいて

家族のよう



そんな関係になりたい






すぐ離れてしまいたくない

あなたにわたしの手を差し出すから、どうかこの手を取って。



温かなその体温を分けて

冷えたこの体温もあげるから












わたしとあなた

あなたとわたし




一粒の氷と共に溶けてしまえたら。

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