やわらかな反抗

今ならば、

あのささくれに名前をつけることができるのだろうか。


ぼくは、女の子らしくあることができなくて。

きみは、ぼく以上に周りに馴染めなくて。

あのコは、何故か強烈にぼくに想いを寄せていた。


ぼくは、知っていた。

あのコがぼくに好意を寄せてくれていることに。

けれども、それは認められなくて。

あのコの好きは

きみの好きとも違って

ぼくの好きとも違って。

とても きらきらとして

ぼくには相応しくない、と思えたから。


きみの不機嫌そうな顔も

今では懐かしいとさえ思えてくるね。


ぼくは今でも 自分の在り方がわからない。



それなのに

まだ生きているよ。















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やわらかな棘《トゲ》 結音(Yuine) @midsummer-violet

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