やわらかな孤独

 アキラ。

 アキラは いつも まぶしくて。

 あたしは アキラが うらやましかった。


 あんなに速く走れてさ。

 運動神経 抜群な アキラ。


 あたしは アキラに追いつけない。

 アキラのように 活躍できない。

 あたしのことは 誰も見てない。



 アキラが走ると 後輩たちが黄色い歓声をあげていてさ。

 あたしは それが耳障りでさ。


 遠くから静かに眺めていたかった。


 それなのに

 どうして こんなに 近付いたのか


 アキラは あたしといて 楽しかった?




 アキラは 本当は あたしのこと どう思ってたのさ。


 あたしは 怖くて訊けなかったよ、あの頃は。

 

 




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