第6話 置かれた環境、楽しんだもん勝ち
「涼しいねぇ~」そう言ってのんびりしているのは私の友人の朋美だ。今私たちは職場の近くの公園で話していた。
「朋美さそういえばこの間言ってた風俗の事だけどさいい感じなの??」気になってしまってタバコに火を付けながら朋美に聞く。
「う~ん。まぁぼちぼちかなぁ。正直に言っちゃうとさあんまりって感じ。正社員雇用じゃないし、アルバイトのフリーターって扱いでさ。それに献血は出来ないし、性病検査には月1で行かなきゃだし?シフトは自分で決めれるようにはなったけど昼間から夜中までずーっとだからね(笑)それで指名なかったら稼げないしさ(笑)」淡々と言ってくれた朋美はどこか肝が据わっていてかっこよかった。
「そうなんだ。フリーター扱いっていうのはなかなかだね。」
「そうなの。でもさ以外に周りのお姉さんたちもさ何かやりたい事とか夢の為にこの仕事してる人が多くてさ、びっくりだよね(笑)」
「精神的に来るって言ってたのは??大丈夫なの?」
「うーん、正直まだ慣れないところはあるよ。知らない人の前で裸になってさ?男の人のあそこをしごいたり舐めたりするわけじゃん。ずーっとやってるお姉さん達は本当に凄いと思う!」
こんなことを平然と話してくれる朋美にメンタル強いなぁと感心させられる。私はそんな朋美の話を聞きながらタバコを1本吸い終わり、すぐそこの自動販売機で買ったコーヒーを飲みながら聞いていた。
「私もしてみようかな~朋美さ紹介してくんない??(笑)」冗談のつもりで聞いてみる。
「えっ!香苗もやってみたいの!?そういうの好きだっけ??」凄く驚いた顔でこっちを見てくる朋美の顔にこっちも驚きを隠せないでいる。
「いいよ!一緒にやろ??」いつも思ってることが1つあってそれは朋美のテンションだ...毎回引くくらいなテンションがとても羨ましい。
それから少し時が過ぎ朋美から連絡がきた。「来週とかどう??軽く面接してみない??」風俗の連絡だった。「うん。日曜日ならいつでも大丈夫だよ。」
「おっけ~~!」そしたらこっちからも一言入れておくね!
そうして約束の日。
「こんにちは。初めまして。今日はよろしくお願いします。」誰でも一度は言ったことのあるような挨拶を交わして面接は始まった。終わるころには空は茜色になっていた。開始の時間はお昼過ぎだったこともあって長く面接していたんだな。そう思いながら、朋美に連絡を打った。「終わった」と。
返事は早かった。「お疲れ様~どうだった??」
「うん、少しやってみようかな。」
「おーやった!いつから出勤??」
「明後日に軽くやってみて次の日から20:00~0:00までを5日間。仕事終わってから行くから20:00から。」
「いいね!頑張ろう!!!」
私自身こんな仕事やるとは思ってもなかった。正直、会社で馬車馬のように必死こいて毎日決まった時間に出社して決まった時間に退社して帰っても決まったことしていつもと同じ時間に寝てまた起きての繰り返し。変わり映えの無いこんな生活に新しい事を教えてくれた朋美には感謝している。
これがどう自分自身の人生に影響されるかわからないがしてみようと思う。
たとえこの選択肢が人生の地獄行きの片道切符だとしても。
その先、置かれた環境を楽しんでやろうじゃないか。
どこかからかは分からない感情が沸々と湧き上がってくるのを楽しんでいた。
さて、寝よう.............明日も早い。
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