KAC20244 タイトル:漫才 お題『ささくれ』

マサムネ

漫才 タイトル「ささくれ」

「『どうも~』」

「カックンです」

『ヨーミンです』

「『カックンヨーミンです。よろしくお願いしまーす』」



「いやー、今回のお題は“ささくれ”らしいですよ。“ささくれ”で800文字の短編を作らなきゃいけないらしいです」


『“ささくれ”って、アレですよね? 指の爪の近くにできる……』


「そうそう、取ろうと思って引っ張ると、イッタいことになる、アレな」


『あと、割り箸を割った後に、毛羽立った感じでピッピッってなるやつ……』


「そうそう、安い割り箸だとよく出てくるよね。刺さると、イッタいことになる、アレな。割り箸こすり合わせってとったりするよね? あれ、行儀悪いと思う人もいるから気をつけてな~」


『あと、こう、お化けが耳元に寄ってきて話しかけてくる……』


「なんやねんそれ? お化けなんて“ささくれ”関係ないやん」


『耳元で、こう……“ささやく霊”』


「やっぱり“ささくれ”ちゃうやん」


『いやいや、お化けにはお祓いがつきものでしょ? 厄払いしてみてくださいよ。ほら“や”と“く”、払ってみて下さい!』


「これ、もしかして………“さ、さ、れ、い”  やっぱり“ささくれ”ちゃうやんけ! ———ドヤ顔すんな! 笑点のピンクの着物の人みたいなドヤ顔すんな!! 間違ってんねん! ほんで払うなら“や”と“き”や!!!」


『じゃあ、それで』


「はーい、かしこまりー。じゃ、ないねんて! ちゃんとしてくれ!」


『それじゃあこれは? 動物園で、パンダがお腹空かせてて……』


「ほうほう、それで?」


『周りに食べ物がないから、こちらに手を差し出して、“ささくれ~”、“ささくれ~”って』 


「まあ、それは確かに“ささくれ”やな。間違ってはないな」


『ささくれ~~、ささくれ~~』


「言い方、ちょっとさっきのお化け引きずってるやん! 自分で言うのが面白なってるやん!」


『ささくれ~~』


「あー、もうどないすんねん! なんも思いつかん。そんなんじゃ800文字以上の話にふくらませるなんて無理やん!!

 あー、あー、あーーー、もうどないしょー!!!!」



『まあまあ、そんなに、”ささくれ”立たないで』



「もうええわ」

「『どうも、ありがとうございました~』」


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