エピローグ

 みりねは中学3年生の夏がはじまる前、また引っ越した。ちょうど行きたい高校もそこにあるそうだ。ついにみりねの気象予報士を目指す冒険譚が始まるんだねって思うと、なんかみりねかっこいい。


 ぼくは、しっかりとした農業コースのある高校がいいなって思って、夏休みに探していた。寮とか下宿からになるかもしれないけど。あ、と思った。みりねはどこの高校に行くつもりだったのかなって。でも、あんまり引っ張られてもいけないから、このときは聞かなかった。


 そうして、受験を迎えて、いままでで1番がんばって。第一志望の高校に合格発表に向かった。この高校って普通科もあるし、そういえばみりねの引越し先にも近いから、、、。もしかしたら。いやでも、そもそも、合格するか分かんないから、、、。



 冬の終わりかけを告げる、ほんの少し優しさをまとった風が吹いて。


 溶けかけで土の混じった雪を踏んで、もう3月だねって思って。あれから半年だったんだねって思って。


 みりねがいなくてもなんとかなったから、合格発表見たらみりねに自慢しようかな、とか。もうなんとでもなれって思って、合格発表ボードを見た。


「あ、、、。あった、、、

 え?」


 とつぜん、肩を叩かれた。


「すみ!おはよ。」


 このときのぼくたちの表情はどんなだったろうか?



―――たぶん。季節外れじゃない、みたいな表情、!





                          わたしの世界の見える場所

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わたしの世界の見える場所 みらい、 @mirya_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ