第11話

 「先輩ぁー!!」


「どうしたの??」


「最近、ネット小説を読んでたんですが、浮気物と嘘コクものが好きなんです」


「面白いよね」


「はい!!先輩に影響されちゃってっ」


キャッピと自分で声に出してポーズを決めてる。


 「どうですか?先輩に合わせて読んだんですよ」

 目をぱちぱちさせている。


 実際の目的は友達がネット小説にハマったからそれに影響されたらしいけど、


 俺がオススメしても、えー趣味悪と言い返して来るくせに・・・

「嬉しいな、あとで一杯語ろうよ」


「・・・いいです、それは遠慮しときます」

 なんか急に冷めた顔をしている。


「何故??」


「えー、先輩そんなに語りたかったんですか?」

 そして、急にニヤニヤした顔になった。


「そうだけど、やっぱり好きな物を共有するのっていいじゃん?」


「先輩ボッチだから、共有する相手居ないですよね。」

 

容赦ないな、やっぱりこの後輩は!!泣けて来るだろう!!


「・・・っ、お・・・俺だって楽しくオタクの話をしたいだもん」


「・・・可愛い」


「えっ??」


「何でもないですよ。それより、先輩のおすすめ教えてくださいよ」


「えっーどうせ、そんなの読んでるんですか?って言って来るだけじゃない?」


「しっけぇな!私が何でも否定する人じゃないよ」


 金を騙し取りまくった人の言うことか!!と思ったけど黙る。


「じゃあ、このもう遅い系とかどう?俺すごく好きなんだけど」


「そんなの読んでるんですか、」


10秒も経ってないよ!!



ーーーーーーーーー

 一週間後


 「先輩!!もう遅い系の良さ、全然分かってないですね」


凄くネタバレして来る。

いや、俺別にネタバレとかされても良いんだよ。だけど、


 「えー、先輩、オタクのくせにまだ最新読んでないんですか、オッソー」


何だろう、すごく腑に落ちない。


 「だから、最近の流行り分からなくて乗り遅れて、まくりなんですよ!!先輩は!!」


 相変わらず酷すぎ。


 まぁでも、とりあえずもう遅い系好きな人が増えて良かった。


ーーーーーーーーー

 後輩視点


 もう先輩煽られるだけのバカ雑魚ボッチなんですから・・・

悔しくて泣きそうなのは可愛かったけど、


 つか!!もう少し先輩は褒めてくれていいと思う。私は元からアニメとか漫画とか小説とかラノベとか一切読んでなかったのに、先輩と少しでも話す機会を増やしてたくて、オタク知識を持ったことを褒めて欲しいのに、


 

「春ちゃん、これの新刊ね」

 

 「それ私読んだよ!!超ー面白かった。」


「今日発売なのに、もう見たんだ。」


「ネットで0時になった瞬間に見たの!!でねでね、その内容はね、ーーがすっごくカッコよくてね。今回の話感動してね、あーでもネタバレダメなんだっけ?あーネタバレしたい!はやく、感動を共感したい!!早く話をしたい」



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【誤字修正21:20】次々と俺を虐めて嫌ってた女の子が寄ってくる。 激 辛 @eaconnn

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