第10話

それから、夏の家によく遊びに行った。何故か夏には強気になってしまう。逆に夏は俺に敬語になっており、中学とは真反対になってる。


 「これは?何ですか」


「いや、今更だけど出産祝い」


おもちゃのプレゼントを渡す。


 「・・・(ぐす)」


あれ泣いてる??


 「え、その、」


「ごめんなさい。ごめんなさい。」


これは花ちゃんへのプレゼントだけど、大切に握りしめてる。


 「初めての出産祝いだったから」


「あ・・・そうなんだ。」


それは泣くな


 「それに」


「それに?」


「前に夏くんの文房具、屋上から落として壊したことあったでしょ」


「あー、あったね。」


「あれさ、お母さんに買ってもらったのだよね」


中学生だし、働けないし



「そう、そうだよね。母親になって初めてこの子におもちゃのプレゼントにあげた時、これは一生の宝にして欲しいな思ったの。」


「・・・」


「だから、謝りたくて」


  俺のプレゼントをさらに強く握りしめる。


 「その前に、それ壊れるから、そろそろ優しくね」


「あ、ごめんなさい。」


 

 それからも夏さんに、お金を貸しに行きその度にカレーを食べてさせて貰っている。(つかカレーのみ、そっちも勉強しないと)


 山口編 完

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 ラブコメ編1



 「せんぱぁいー!!ジュース、私にも奢ってくださいよ」


春さんがやって来る。もう70万を貸したの忘れてない??


「あっ怒ってます??だって先輩60万返すのいつでも良いって言ったじゃないですか?」


「・・・」

 

 言ったけ?そんなこと??あと10万も少ないし、田中時代のこと忘れてるな

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 夏の家


 「絶対返すからね。」


「しっかり、メモしてて偉いな」

 貸した料金をメモしている。


「当たり前だよ!借りてんるだから!!」


「だよね!だよね!」


「どうしたの?夏くん?そんなに」


「いやぁ、もしさ」


「うん」


「70万借りて、それで平気で奢ってとか言う後輩居たらどう思う?」


「ムカつくね、つか貸す方もやばいね」


「・・・だよねぇー、ついでにさ、70万借りたの忘れて60万で返すとか言ってたらどうする?」


「ぶっ飛ばす。つかやけにリアルだね・・・もしかして」

 夏さんに引かれた顔をされる。


俺は首を横にゆっくり向ける。


 「花に影響されないといいけど」


「何故花ちゃん??」

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