正直、話がよく見えないところが何箇所かありました。ストーリーの外形は分かるのですが、「なんで?」という引っ掛かりが頻発すると申しますか。
まず、この展開だと「キューピットの恋」の要素は必要ないのではないかと思います。天に戻れず、堕天使となった、などのくだりも、蛇足っぽい印象です。単純に「トラブルを抱える二人の関係構築に腐心するキューピットのお仕事ストーリー」でいいのではないかと。
その上で少し突っ込むと、キューピットの矢というものは、本来盲目的に目の前の相手へ恋をさせるという仕様(?)になっているので、「あの男の胸に矢を射こんでは?」「恋は実らず、不幸になるでしょう」というくだりがすでに原典とズレています。ではどうズレているのか、というのが、よくわからない。最後は二人まとめて矢で射抜いて相思相愛にした形になってますが、なぜ最初からそうしなかったのか。言い換えると、ファニーが隆敏と半年間同衾(?)したことで、一体彼の何が変わったのか、そういうところが今ひとつ不明瞭です。
二人の関係構築のために、ファニーが何らかの犠牲を払った、という展開にしようとしているのはわかります。ですから、最後の方でファニー自身が優依への恋心を自覚する、などの流れになるのはありだと思います。けれども、小箱の意義や作用のディテールとかは、最後まで釈然としませんでした(ちなみにあちこちで書いてることですが、私はカクヨムでもかなり「察しの悪い」読者です w)。隠れた本心とか人本来の優しい心を引き出す力が、小箱の中の結晶にはあったということでしょうかね? だとしたら、なぜ最初からそれを(以下略)。
あと、これは私の感覚ですが、このキューピット、長らく人間の仲をとりもつ仕事を続けてきたにしては、経験値が全然感じられないので、新米の初なキューピットの初仕事物語、ということにする方が、筋は通るかも知れません。肩に力が入りすぎて、つい顧客の女性に感情移入しすぎた、というのもありがちですしね。
という、だいぶん辛めのコメントでいつになく失礼しておりますが、ご参考になりましたら幸いです。
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。
詳細を説明しても言い訳になってしまいますが、あえて言えば、キューピットにも感情があり、恋の弓矢にも限界がある、それを克服するうえでののりうつり、というところです。
表現できなかったのは私の未熟さゆえ……。
ご意見、参考にさせていただきます。
まあ、当然ですね。キューピッドは、恋を仲介するのが仕事ですからね。笑笑
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。励みになります。(;^ω^)