第68話
「これは使えそうだな」
「なんだ? それ、なんて書いてるんだ?」
狐の
「これは合体術。二人以上の者の身体と精神を融合させる術だ」
「ん? つまり、どういうことだ?」
「俺とお前が一つになるという事だ。二人が一人になる」
「おう! 分かった。俺とお前が一人になるんだな? 面白そうだ! すぐにやろう!」
「うむ。では、始めよう。お前の気は十分に満ちているな?」
「おう! 十分だ!」
「この術は部屋で行う」
と言って、
「お前は俺の前に座れ。そして、精神を集中し、静かに気を巡らし、お互いの気を循環させる」
と
「おう! 分かった!」
「うむ。それでいい」
それを確認すると、
「上手くいったようだな」
「そうみたいだな」
と
「お前の気と俺の気が合わさり、強力になっている」
「うむ。これはすごいぞ!」
と
「力が漲る」
「おう!」
二人は身体に満ちる力を実感した。融合により強大な力を得たが、それだけではない。二人の精神もまた一つになり、お互いの想いも共有され、熱い想いが心を満たし、融合体の表情は喜びに満ちていた。
「ここは結界が張られているから、外部に悟られないだろうが、この合体術は敵に知られてはならない」
と
「おう! 分かった!」
と
「しかし、この身体で戦うためには修練が必要だ。ここでは狭すぎる。それに、せっかく作った家を壊してしまうだろう」
「それじゃあ、どこで修練するのだ?」
「修練できる場所は葛城山しかないだろう」
と
『合体術が成功した。この術を使って戦うためには修練が必要だ。今から葛城山へ行く』
と告げると、
『分かった』
と
「子狐、聞こえたか?」
「おう! これが念だな? 俺にも聞こえたぞ!」
と嬉しそうに答えた。
「うむ。俺たちは身体と精神が融合しているからな」
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