第67話
「なるほどな」
「有効な手立てとしては、傀儡同士を戦わせる事だな」
と言葉を続けると、
『我も手を貸そう』
と蛙が姿を見せず、念を送って来た。
「それは助かる。それで、お前が敵陣へ忍び込む気か?」
『我ではない。我には多くの仲間がいる。仲間はどこにでもいる。どこへでも入り込める』
と答えた。
「そうか、それはいいな。お前には敵の情報を掴む役を担ってもらおう」
『うむ。任せよ』
と蛙は答えた。
「それで、
「これは
とだけ答えた。十篇のうち、一つはあの忌まわしき傀儡術。そして、一つは
「では、これから策を練ろう」
まずは、蛙が仲間を使って、敵陣へ忍び込ませ、その情報を得る。敵が動きを見せるまでは静観する。
「うむ。お前の考えは分かった。これからの事だが、都での俺たちの動き、敵に知られる訳にはいかないだろう。都にいる術者とはどうやって接触する?」
「心配には及ばない。俺にはいい考えがある」
翌日、蛙は仲間の蛙を使って、物部氏の各家に忍び込ませた。忍び込むのはただの蛙だが、彼らは離れていても意思の疎通が可能だった。
「では、蛙、情報収集は任せた」
『うむ』
とだけ念で答えた。そして、
「これは使えないな。戦いが長引けば不利になる」
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