第64話
「おい! 見つけたぞ! ほら、出て来いよ!」
『騒がしい』
と一言言った。そんな蛙の姿を見て、
「おっ! 出て来たな! 今度は俺が隠れるからお前が探せよ!」
と
『我は探さぬ』
と言葉が返って来た。
「あはははっ。
と
「蛙、済まないな。
迷惑そうにしている蛙に向かって言った。それを黙って見ていた
「子狐、腹は減っていないか?」
と聞いて、
「おう! 腹が減った!」
その答えを聞いて、
「
と頼んだ。
「うむ」
「お前たちは、そこの部屋で休んでいてくれ」
と二人に言ってから、
「俺たちは向こうで静かに過ごそう」
と声をかけた。
暫くすると、
「お食事をお持ち致しました」
と従者が声をかけた。
「おっ⁉ 何者だ! 気配がしなかったぞ!」
と
「慌てるな。こいつは
「しきって、何だ?」
「精霊だ。
と
「
と感心した。それを横目に見て、少し不機嫌そうに眉を寄せ、
「ふんっ。それくらい俺にも出来る」
と
「そうなのか? お前も凄いな! でも、俺たち二人の暮らしには
と
「俺の世話はお前がしてくれるからな!」
と言葉を続けた。その言葉に
「お前は、どこまでも甘えん坊だな」
と
「おう!」
「子狐。今日は箸の使い方を教えてやる。しっかり覚えろよ」
「ん? 何でだ? 手で食べる方が楽だろう」
「それだと、お前の手が汚れる」
そう言って、
「箸はこうして持つんだ。これは動かさずに固定して、上の箸を動かして掴む」
と説明しながら、箸で白飯を掴んで
「口を開けて」
「箸を使うのは面倒だ」
と
「慣れれば難しくはない」
「ほら、口を開けて」
「美味い!」
嬉しそうに言って、
「もっと肉が食いたい!」
とせがんだ。
「それなら、自分で掴んでみろ」
と
「うむ!」
「子狐、口の端が汚れたぞ」
「もう少し、練習が必要だな」
と笑みを向けた。
「う~む」
「がんばるぞ!」
と言って、箸を使って残りの料理を平らげた。もちろん、口が汚れる度に、
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