第63話
翌朝、
「
「
そんな二人の様子に笑みを浮かべた
「
と二人に声をかけると、
「懐かしむほど時は経っていない。さあ、入れ」
と心なしか不機嫌そうに言った。
「それで? どうけりをつける?」
「俺たちの身内が殺されたんだ。その代償は払ってもらおう」
と
「うむ。俺も怒っているぞ! 悪い奴らはみんな殺してやる!」
と
「
と優しく笑みを向けて言った。
「俺だって、お前たちが傷つくのは見たくないぞ!」
と言葉を返した。それを見て
「お前の気持ちは分かっている。俺がお前を守る」
と
「おう! 俺もお前を守る!」
「分かったよ。お前たちは離れずにいろ」
と言葉をかけて、
『
と
『無論だ』
と
「さて、そろそろ俺の屋敷に戻ろうかな?」
と言った。
「
都に来た時、
屋敷が出来るまで
「赤麻呂、世話になったな。自分の屋敷へ戻るよ。
と赤麻呂に礼を言って別れた。赤麻呂や、彼の家族に害が及ぶ事は避けなければならないと、
「なんだ? ここに何を
と聞く。
「まあ、入れ。お前たちには害はない」
と笑みを浮かべて、二人を促し、結界の張られた屋敷へと入っていった。
「蛙、警戒しなくていい。二人は俺の友だ。お前を害することはしないから安心しろ」
と姿を見せない蛙に向かって
『うむ』
とだけ、念で返事が返って来た。
「おお? 頭の中に声が聞こえたぞ?」
「蛙は人見知りでね。慣れるまでは姿を見せないだろう」
「なんで、頭の中に声が聞こえるんだ?」
「それは念という。高位の修行者が使う術で、声を出さずとも会話が出来る。術を極めれば、どれほど離れていても念で話せるのだ」
と
「ふむ? なんか、分かったような? お前と
「蛙は念でしか話せないのだよ。修行により、念が使えて、人と話すことが出来るようになったのだ」
と
「そうか! それは偉いな! 偉いぞ、蛙! どこにいるんだ蛙? かくれんぼしてるのか? 俺と遊ぼう!」
「
呆れて
「大丈夫かな? 蛙……」
「安心しろ、子狐は蛙を傷つけはしない」
と
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