第51話
「
と役人が祝いとして与えられた物を読み上げた。それから、
「
役人は勅の書かれた書を
「ご期待に沿えるよう努めます」
と言った。役人は、仕事を終えると帰って行ったが、葛城山では、突然の詔に騒然とした。
「
「大王には何か考えが?」
「宮内省には
先の大戦では、物部氏と葛城氏の壮絶な戦いで、互いに殺し合い、多くの命が散っていった。戦いは物部が勝利して幕を閉じた。その因縁がまだ色濃く残る今、なぜ、大王は物部氏の者と葛城氏の者を近づけるのか? 皆、それぞれ考えてはいるが、答えは見つからなかった。何かの罠だとしても、それを拒む事さえできないもどかしさに、苦悩するのだった。
翌日、支度を終えた
「
「
「大王のお考えが俺たちには分からない。物部の者と共に務める事になるが、何か企みがあるかもしれない。皆はそれを案じている。お前の事は俺が守る」
そう言って、
半日ほどで都に着くと、そのまま大正門をくぐり、宮殿まで行った。入り口の門で確認を取ると、そのまま牛車は中へと通されて、他の者たちは門前で待つことになった。
「
と大王が言う。
「ありがたいお言葉を賜り、恐悦至極に存じます」
「うむ」
大王は満足そうに頷いて、
「もう、下がってよい」
と
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